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韓国大統領「日本は重要な隣国」と述べた理由 独立運動記念式典でなりを潜めた対日強硬発言

東洋経済オンライン / 2021年3月2日 16時0分

「3.1独立運動記念式典」に出席した文大統領(写真・ソウル新聞)

従軍慰安婦や元徴用工問題で関係が悪化した日韓関係に改善の突破口が見えない中、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2021年3月1日、3.1独立運動記念式典で行った演説で、過去の歴史と未来志向的関係を分離することを再確認しながらも、「未来」と「対話」をアピールした。3.1独立運動は日本による植民地時代の1919年、初めての反日独立運動のことだ。

■日本との未来と対話をアピール

2020年9月に菅義偉政権が発足後、韓国は融和的なメッセージを日本に向けて発信してきたが、今回の演説ではその融和姿勢をさらに強めた発言となった。しかし、元徴用工問題など具体的な提案はなく、日本側が前向きに対応するかどうかは未知数だ。

文大統領はこの演説の中で、慰安婦や元徴用工問題などに直接言及することはなかった。しかし、「過去の不幸だった歴史」との表現を使った。とくに「被害者の名誉と尊厳を回復するため最善を尽くす」と述べながらも、「被害者中心主義の立場で知恵を持って解決策を模索する」と付け加えた。大統領就任後初めてとなる2018年の3.1節での演説では、「慰安婦問題の解決でも加害者である日本政府が『この問題は解決済み』と述べてはならない」と直接的に言及したときとは対象的だ。

「最も近い隣国」としてきたこれまでの表現から「お互いにとても重要な隣国」とさらに前向きな表現をつかって「協力が今ほど重要なときはない」と強調した点も目を引く。「重要な隣国」とは、日本が日米韓3カ国協調関係の中で、日韓関係に言及する際に使った表現だ。文大統領も「両国の協力は韓米日3カ国の協力にも資するだろう」と述べた。

日本政府が死活をかける東京五輪成功のために協力は惜しまないとしながら、「韓日、日朝、米朝間の対話の機会となるだろう」とも述べた。朝鮮半島平和プロセスにおけるエンジンとして生かすために、日米韓の協調を重視するアメリカのバイデン政権と歩調を合わせようとする意図が読み取れる。

ソウル大学国際大学院教授の朴喆熙(パク・チョルヒ)教授は、「強硬な発言を自制し、融和的な言及を行った。数年間、『忘れない』『負けない』という話をしていたが、『とても重要な隣国』と呼ぶことはそれまでの姿勢からの方向転換だ」と評価する。

しかし、慰安婦と元徴用工問題の解決を主張してきた日本が、文大統領の今回の発言に素直に応じるかは不透明だという評価が専門家らの間で支配的だ。韓国・国民大学日本学科の李元徳(イ・ウォンドク)教授は、「過去の歴史をロー・キーで扱うというものであり、未来志向的に政策や対応を設定するというものだが、具体的な解決方法を期待する日本が韓国側のこのような姿勢に応じるかどうかは疑問だ」という。梨花女子大学北朝鮮学科のパク・ウォンゴン教授も、「いっそのこと無条件での首脳会談を提案したらよかったのかもしれないが、この程度の発言では解決は難しい」と指摘する。

■日韓関係へのアメリカによる仲裁を期待も

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