1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

中学受験「偏差値40台」目指した子の最後の結末 偏差値50以下の受験に挑むことの意義

東洋経済オンライン / 2021年3月23日 11時30分

偏差値40台を目指す中学受験。その成果とは?(写真:Fast&Slow / PIXTA)

コロナの中でも、新しい季節は変わらずやってくる。2月の中学受験シーズンを終えた東京の街。卒塾する6年生を送り終えた塾の教室に、夕方、来年以降に受験を目指す子どもたちが続々と入って行く。

“勉強漬けでかわいそう”。そんな憐れむような、冷ややかな視線を送る大人も少なくない。とくに偏差値が50に届かない、40台や30台の子どもたちは気の毒などと言われがちだ。

勉強ができない子は、勉強が嫌いだからやらない。だから、成績も上がらない。多くの大人はそんな理屈で考えがちだが、一人ひとりを細やかに見ると、子どもによって事情はまったく違う。

「情報を探しても、うちのようなケースの話はまったく見当たらなくて、本当に苦しかった」

先日、娘が中学受験を終えたばかりの藤堂美佐子さん(仮名)はそう振り返る。

「偏差値の低い子は、地元の中学に行ったって、結局、自己肯定感を喪失させられます。偏差値を中心に評価されるような中学生活を、娘には送らせたくなかった」

あまり語られることのない、中学入試の偏差値低位層における子どもたちの受験模様。懸命に中学受験の学びを続けた少女の家族に話を聞いた。

■合格した第一志望校は偏差値40台

東京都に住む来夢さん(6年生、仮名)は、この2月、志望していた私立中学から合格通知を受け取った。「私、第一志望校に合格できた!」声を弾ませる来夢さんは、自信に満ちていた。

四谷大塚の偏差値では40台後半に名前の載る学校だ。偏差値上位校に入ることこそが、中学受験の成功だと考える価値観からすると、この程度の偏差値では“成功とは呼べない”。そう考える人もいるだろう。だが、彼女にとっては間違いなく、これは大きな勝利だった。

高校生の姉を持つ来夢さん。姉は小学1年生から難関校受験の名門塾SAPIXに通い、慶應系の中学を目指していた。「姉はぜんぜん勉強をしないタイプの子でした。あと少しでαクラスだったのに、やらないから……」。歯がゆい思いをしていたと話すのは、母親の美佐子さんだ。

αとは、SAPIXにおける最上位クラスのことだ。「最後のほうでやっとエンジンがかかり、勉強をするようになりました。そうしたら、慶應に手が届くかも!というくらいまで成績が伸びました」

自身も夫も中高一貫校の出身だという藤堂家。中学受験の勉強で高い偏差値が取れないのは、本人によほどやる気がなく、親も手をかけていないからだと、思っていたという。だが、次女の来夢さんの受験勉強に寄り添ううちに、それは完全に「間違いだった」と気づかされることになる。

■覚えたことを翌日には忘れてしまう

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング