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五輪、海外客断念でも鉄道に残した「レガシー」 多言語対応やバリアフリー化は無駄にならない

東洋経済オンライン / 2021年3月26日 6時40分

JR千駄ケ谷駅は、2020年東京オリンピック・パラリンピック主会場の新国立競技場最寄り駅として改良された(写真:aki/PIXTA)

本来ならばすでに行われていたはずの東京オリンピック(五輪)・パラリンピック。新型コロナウイルスの影響で1年延期されたが、コロナ禍が収まる気配はない。

延期が決定されたのは昨年の3月24日だった。そしてその約1年後となる今年3月20日、大会組織委員会や政府、IOCなど5者による会談で、海外からの一般客受け入れを断念することが正式に決まった。全体の観客数の上限は4月中に方針を出す予定とされており、日本国内在住の観客も減ることが予想される。

五輪・パラリンピックに向けては、鉄道もさまざまな対応を行ってきた。とくに、JR東日本と東京メトロは旅客鉄道輸送サービスのオフィシャルパートナーとなっている。両社は世界から人を迎え入れ、対応するためにさまざまな取り組みを行ってきた。

■「多言語対応」が進化

五輪・パラリンピック開催に向け、とくに進んだといえるのが多言語対応だ。従来は英語のみがほとんどだった外国語表示の多言語化は訪日客の増加を受けて進んでいたが、開催決定後はさらに広がった。JR東日本は、駅名標に日・英・中・韓の4言語での表記を行い、多言語による情報提供を強化した。また、2016年10月からは五輪開催を見据え、外国人にもわかりやすいように首都圏で駅のナンバリングを導入した。

東京メトロも多言語対応を推進した。同社は駅のディスプレイや旅客案内装置で日・英・中・韓の4言語での表示を行えるようにしたほか、券売機や精算機ではタイ語・フランス語・スペイン語も使用できるようにしている。また、AI通訳機やメガホン型の音声翻訳機も導入した。ホームページや外国人向けのスマホアプリも多言語化、おもにアジア圏からの訪日客対応を強化した。

世界から人を迎えるにあたって、課題となるのは「バリアフリー」である。日本の場合はバリアフリーを充実させるようになったのは近年になってのことであり、首都圏では最近になって急ピッチで工事が行われるようになったが、その理由の1つには五輪・パラリンピックの開催があったと考えられる。とくにパラリンピックは障がい者のスポーツ大会ということもあり、観客対応の点を考えると、バリアフリーは必須である。

地下鉄という条件から段差や階段がどうしても多い東京メトロが推進したのは、車いす利用者が単独で移動できるためのエレベーター整備だ。どの駅でもエレベーターで地上に出られるルートを1つは確保するよう急ピッチで整備を進め、2013年度には全179駅中140駅だった「エレベーター1ルート」の駅は、2020年夏時点で全180駅中177駅、全駅の98%で整備を完了した。残る駅も段差解消ルートが整備されている。

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