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プロ野球「全く儲けない異常体質」が許された訳 「ジャイアンツ頼み」のビジネスモデルは限界だ

東洋経済オンライン / 2021年3月30日 17時0分

今、プロ野球球団が直面する危機とは?(写真:Bloomberg/Getty)

どの時代にも優れたスター選手を輩出し、今も日本の人気スポーツの頂点に君臨するプロ野球業界。しかし長年、プロ野球をビジネスとして成立させることに後ろ向きだった球団側は、そのつけを清算しなければいけない時がきている。儲けることと真剣に向き合わなかった球団が今直面する危機とは? スポーツライターの喜瀬雅則氏の新書『稼ぐ! プロ野球 新時代のファンビジネス』より一部抜粋・再構成してお届けする。

プロ野球ビジネスにおける、球団の収入を構成する主要な「4本柱」がある。

・入場料
・放映権料
・グッズ販売
・広告などのスポンサー収入

そして、これらの各項目における売上の増減を左右するのが「観客動員数」だ。お客さんが、入場券を購入して球場へ来る。人気のあるチームだからこそ、試合をテレビ中継すれば視聴率も上がる。

来場したお客さんが、応援グッズを購入して盛り上がる。その活気あるスタジアムに広告を出せば、多くの人の目に留まる。集客を核としたビジネスモデルゆえに、その「観客動員数」がKPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)となる。

■球団が恐れる「最悪シナリオ」

しかし、2020年(令和2年)のプロ野球界では、その前提が大きく揺らぐ事態に陥った。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で、肝心の「集客」が激減したのだ。

開幕は3カ月遅れの6月19日にずれ込み、当初は無観客試合。上限5000人での観客受け入れは、開幕から3週間後の7月10日から。収容人員の50%まで引き上げられたのは、開幕から3カ月後の9月19日だった。

シーズン143試合を120試合に短縮したおよそ5カ月間のシーズンは、何とか“完走”することはできた。しかし、その代償は、むしろこれから出てくるのだろう。
「入場料収入」は、球団の売上全体でも、30%から50%を占めると見られている。それだけに、2020年のコロナ禍による観客動員の大幅な落ち込みは、球団の台所事情を直撃する大問題でもあったのだ。

大半の球団は、これまでの内部留保などで2020年のマイナス分は何とか補えるのだという。ただ、同じような状況が2021年(令和3年)も続いた場合には、深刻な経営難に陥る球団が出てくるともいわれている。

まずは球団ビジネスの『これまで』を、駆け足でたどってみたい。

かつて、プロ野球球団は、親会社の「宣伝広告媒体」といわれてきた。1954年(昭和29年)の国税庁通達により、子会社である球団への赤字補填は「広告宣伝費」として損金処理ができる。本来なら、赤字補填のような「財」の移転を伴わない資金の移動は「贈与」と見なされ、課税対象となる。

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