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尖閣防衛、日本の「切れ目」狙う中国に警戒せよ 現場の頑張りに頼らず日本全体の備えが必要だ

東洋経済オンライン / 2021年4月5日 8時0分

海警法を超えた対応をどう考えたらいいか(写真:Paul Yeung/Bloomberg)

米中貿易戦争により幕を開けた、国家が地政学的な目的のために経済を手段として使う「地経学」の時代。

独立したグローバルなシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)」の専門家が、コロナウイルス後の国際政治と世界経済の新たな潮流の兆しをいち早く見つけ、その地政学的かつ地経学的重要性を考察し、日本の国益と戦略にとっての意味合いを、順次配信していく。

■中国海警法に対する深刻な懸念

尖閣諸島は歴史的にも国際法上もわが国の領土であり、1951年のサンフランシスコ平和条約で放棄した領土にも含まれない。その尖閣諸島周辺の日本の領海に中国は侵入を繰り返している。

2月1日には中国の海警法が施行された。海警機構の任務や権限を明らかにした法律だが、同法には懸念される点がある。アメリカも認識を共有、3月16日に東京で開かれた日米外務・防衛担当閣僚協議(2+2)で、東シナ海等での「中国の現状変更を試みる一方的行動」を非難し、「海警法に対する深刻な懸念」が表明された。

海警法の問題点の1つは、外国の軍艦・政府公船に対して武器の使用を広く認める点だ。国連海洋法条約は、32条で軍艦・公船に広く主権免除を認める。これは、国家は対等で他国の管轄に服さないという思想に基づく。例外はあり、領海を航行する軍艦が沿岸国による法令遵守の求めに応じない場合には即座の退去を要求できるが、退去要求に従わない軍艦に強制措置を取れるかは国際法上明確ではない。従い、海警法が、軍艦等への強制措置、武器使用を広く認める点は問題だ。

しかし、いちばんの問題は中国の行動だ。「規則違反の改造車で歩行者天国を暴走する」のは許されないが、「規則に従う整備された車で歩行者天国を暴走する」ことも許されない。よしんば海警法が国際法と整合的でも、日本の領海への違法な侵入は許されない。

なお、国連海洋法条約では軍艦、公船を含めて外国船の領海内の「無害通航権」は認めており、領海内に入ることすべてを国際法違反というのは不正確だ。しかし、日本漁船に接近し、また日本の領海で、中国国内法令に基づく法執行活動を行っていると主張する中国海警船の行動は無害通航には該当しない。われわれは「海警法の内容」のみではなく、「海警法」と「行動」が一体となって中国が目指すものを警戒しなければならない。

■アメリカの懸念

2019年1月に、アメリカのジョン・リチャードソン海軍大将は中国に対し「アメリカ海軍は中国海警の巡視船と海上民兵の船を戦闘用とみなし、彼らの挑発に対しては中国軍の挑発と同様に対応する」と伝えた。

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