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東芝、英ファンド「2兆円買収提案」は渡りに船か 東芝経営陣が問われる上場維持方針との整合性

東洋経済オンライン / 2021年4月10日 7時50分

東芝に対し、投資ファンドが買収を提案していたことが判明した(撮影:尾形文繁)

日本を代表する電機大手の東芝に対し、イギリスの投資ファンド、CVCキャピタル・パートナーズが買収を提案した。

株式公開買い付け(TOB)による東京証券取引所への上場廃止を想定しており、買収総額は2兆円を超える見通しだ。東芝は副社長をトップとした専門チームを設置する予定で、CVCから詳細な提案を受けた後に、上場廃止の影響などを含めて買収提案の賛否について本格的に検討を開始する。

■巨額買収案に飛び交う「臆測」

東芝は現在、既存株主のアクティビスト(モノ言う株主)との対立が深まっており、3月の臨時株主総会では株主提案が可決される異例の事態に発展。6月の定時株主総会では車谷暢昭社長兼CEOの再任が危ぶまれていた。

CVCはTOBとそれに伴う上場廃止によって、こうした対立が解消されることを東芝に伝え、賛同を得ていくとみられる。いわば「ホワイトナイト」(友好的な買収者)との位置づけで、東芝関係者からは前向きに評価する声も出ている。ただ、東芝が上場維持にこだわってきた経緯があるため、その整合性も問われそうだ。

CVCは欧州を中心に約12兆円を運用しており、日本では資生堂から「TSUBAKI」などの日用品事業を買収することを発表するなど10件程度の案件を手掛けてきた。今回は買収額がケタ違いに大きく、ほかの投資ファンドなどにも参加を呼びかけるとみられる。

CVCが車谷社長の古巣ゆえに、買収提案に関連したさまざまな臆測も飛び交っている。車谷氏は三井住友銀行副頭取からCVC日本法人会長に転じ、2018年に東芝会長に就くまでの約1年間在籍した。東芝の社外取締役である藤森義明氏は現在、CVC日本法人の最高顧問でもある。「利害関係を考慮して2人は買収交渉を担わない」(東芝関係者)とみられるが、東芝首脳陣と親しいファンドに見えかねない。

東芝は2015年に不正会計が発覚。翌2016年にはアメリカの原子力発電事業で巨額損失が明らかになった。会社存続も危ぶまれる中、2017年末に約60もの海外投資家を対象にした6000億円の大型増資を実施した。

これによって、会社の資金繰りが安定し、上場廃止も避けられた一方、増資から3年以上経った今でも、モノ言う株主は議決権ベースで約25%を占めている。

3月の臨時株主総会では旧村上ファンド出身者が設立したシンガポールの投資ファンドで筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントと、アメリカのヘッジファンドであるファラロン・キャピタルがそれぞれ株主提案を出して東芝側と対立。ファラロンの提案は否決されたが、エフィッシモ提案の議案は約58%の賛成を得て可決された。

■東芝の成長に欠かせない長期投資家

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