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「企業がケチになった」から日本経済は衰退した デフレや消費税は「副次的な要因」にすぎない

東洋経済オンライン / 2021年4月21日 9時0分

さまざまな問題の根本には、「企業が賃上げも投資もしなくなった」という問題があるといいます(撮影:梅谷秀司)

オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。

彼は退職後も日本経済の研究を続け、著書『日本企業の勝算』などで継続的に、日本を救う数々の提言を行ってきた。

アトキンソン氏の従来の研究の特徴の1つは、日本経済の問題点を「供給側」から明らかにしてきたことにある。そこで東洋経済オンラインでは、アトキンソン氏による「需要側」をも含めた総合的な分析を紹介していく。

今回は、デフレの究極的な原因は「企業の緊縮政策」にあることを解説する。

■「デフレ」は複数の要因が複雑に絡み合った現象

先日、オックスフォード大学時代に日本経済を教えていただいた恩師と、現在の日本経済の問題点について意見交換をしました。

先生は、今の日本経済のデフレは、(1)明らかに金融政策の問題ではない、(2)需要側だけの問題でもない、(3)供給側の問題だけでもない、(4)総合的に考えるべきである、と指摘されていました。

日本経済は、デフレであることを見ればわかるように、需給が崩れている状態にあることは事実です。ただ、需給が崩れている根本的な理由は一般に言われているような「個人消費の低迷」ではありません。結論を先に言うと、内需が足りていないのは「企業の投資需要が低下しているから」です。

では、企業の投資需要の低下の原因は何なのでしょうか。政府の緊縮財政や「デフレだから」で片づけられるほど単純なものではありません。となると、MMTに基づいて積極財政政策を推し進めれば解決できるとはかぎりません。

この点について、2回にわたって検証していきます。

私はこの数カ月、日本のデフレ問題を検証するため、海外の経済学界のたくさんの論文を読みました。その中には「生産性向上はデフレ要因である」「PGS(生産的政府支出)が重要だ」など、示唆に富んだ論文が数多くありました。

特に衝撃的だったのは、世界のデータを分析すると、インフレになるほど購買力調整済みの生産性が下がるということでした。

シカゴ連銀によると、アメリカの1947年から1994年までのデータでは、インフレと生産性の相関係数は−0.36と、負の関係にありました。1956年からバブルが始まる前の1986年末までの日本のデータを分析すると、アメリカほど強くはありませんが、−0.12と、同じように負の相関関係にありました。

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