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ミャンマー政策、問われる「積極的関与」の内実 邦人殺害後も国軍向け援助継続の日本政府

東洋経済オンライン / 2021年5月8日 13時0分

5月3日、ミャンマー軍に抗議するヤンゴン市内のデモ(写真:AP/アフロ)

国連教育科学文化機関(UNESCO)が提唱する世界報道自由デーでもある憲法記念日の5月3日。この日、在ミャンマー17カ国の大使館が共同で声明を出した。

ミャンマー国軍による2月1日のクーデター以来、80人を超えるジャーナリストが逮捕され、いまだにその半数以上が拘束されている。声明ではこの点を指摘したうえで、メディアの免許取り消しや閉鎖、ネット遮断などを非難。拘束されているジャーナリストの即時解放を求めている。

欧米諸国やオーストラリア、ニュージーランドなどが名を連ねるが、そこに日本の名前はない。

■世論調査に表れる日本政府のスタンス

これらの大使館は1月29日にクーデターを牽制する共同声明を出し、その後も国軍を非難する意思表示を鮮明にしてきた。アジアからは韓国が声明に加わったこともあるが、日本は一貫して署名していない。こと対ミャンマー外交に関して、日本政府のキーワードは「独自性」である。

日本政府のスタンスは、外務省が3月20日から23日にかけて実施した外交に関する世論調査に端的に表れている。47都道府県に居住する18歳以上の男女1000人を対象に電話で尋ねた設問の1つが、ミャンマー情勢に関する日本政府の対応だった。

「これまで日本は、ミャンマーの民主化のため、政府開発援助を始めとして、長らく支援の手を差し伸べ、欧米とは異なるやり方で粘り強く変化を促し独自の立場を築いてきました。そのような中で、クーデターが発生し、治安当局がデモ隊に発砲し、多数の死傷者が発生しています。ミャンマー情勢の改善に向け、日本は、独自のパイプを活用しつつ、積極的に関与すべきと思いますか」

回答は、72.3%が「そう思う」 (「とてもそう思う」(38.2%)と「ややそう思う」(34.1%)の合計)と回答し、「そう思わない」の24.0%(「全くそう思わない」(4.3%)と「あまりそう思わない」(19.7%)の合計)を大きく上回った、としている。

設問は、「そう思う」としか答えようのない、我田引水そのものだが、日本政府の自己認識はよくわかる。

一連の声明への不参加は、大使館レベルとはいえ、まさに「欧米とは異なるやり方」を地で行くものだが、問題は「独自パイプを活用しつつ、積極的に関与」しているのかどうかだ。

日本政府はミャンマーに対し、有償無償を含めて巨額の援助をしてきた。延滞債務も免除し、日本国民の資金が累計2兆円近く支出されている。そこまでして培った「独自のパイプ」だが、クーデター後の事態鎮静化や国軍の暴力停止に役立っていないだけではなく、外務省の最も重要な業務であるはずの邦人保護にも生かされていない。

■生かされなかった「独自のパイプ」

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