1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「台湾に送ったワクチンで大量死」報道の真相 台湾に関するフェイクニュースの見分け方と台湾理解

東洋経済オンライン / 2021年6月24日 13時0分

死亡者の95%に基礎疾患があり、とくに透析を受けている方が多い。そのほか認知症や糖尿病、高血圧、腎不全、冠状動脈性心疾患、がん、心臓病といった慢性病を抱え、寝たきりの方もいた。また、台湾では祝日となる端午節(2021年6月14日)で食べるチマキをのどに詰まらせた人や、接種前に転倒して死亡したといったデータも紛れ込んでいたという。

実際に、台湾で昨年2020年に、75歳以上の高齢者で亡くなった人は1日平均260人。今回のワクチン接種ではほとんどが75歳以上を対象としていたが、3日間合わせてもその数には及ばない。

■日本からのワクチン送付に台湾は本当に感謝している

一方で、新型コロナウイルスを原因とする死亡率は、台湾は突出して高い。介護施設でのクラスターや家庭内感染など、高齢者への感染が広がっているためだ。接種後に死亡した後期高齢者の人数を約50人とした場合、(ワクチン接種と直接的な関係がどれほどあるかは不明だが)死亡率は0.0087%である。一方、コロナに感染した場合の死亡率は22%だ。データ上の有効性は火を見るより明らかである。

だからこそ、高齢者への接種が一刻も早く望まれていたタイミングで到着したのが、日本が提供したアストラゼネカ製ワクチンだった。筆者の周辺でも、ご年配の多くが「接種ができて本当にホッとした、日本に感謝している」との声を聞いたほどだ。

それでも、世界的に有効性が高いと言われるモデルナ製やファイザー製のほうを接種したいと望む人も少なくない。日本では、台湾がアストラゼネカ製のワクチンしか承認していないと思われているようだが、そうではない。たんにその時はアストラゼネカ製しか入手できなかったのが実状だ。

とはいえ、日本からのワクチンが到着した後に、それまでアストラゼネカ製の悪口をさんざんテレビで言っていたメディア関係者や富裕層が、自主診療のクリニックへ配布された同社製ワクチンを抜駆けしてこっそり打っていたことが明るみに出ている。またその後、中央感染指揮センターは各国と比較しながら同社製よりもファイザー製のほうが接種後の死亡例が多かったことも示している。当事者やご遺族に「こんな死亡データがあるので、あきらめてください」という話ではない。結局、どのワクチンも未知数であることには変わりないのである。

それでもやはり、熱が出るなど身体に負担がかかることは考えられ、基礎疾患のある人には充分な事前検討が必要であろう。本当に信頼できないならば打たずとも良いし、台湾でも日本と同じくワクチン接種は強制ではない。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング