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国鉄通勤電車の代表、JR奈良線103系が送る余生 今や"絶滅危惧種"、内装と走行音にもレトロ感

東洋経済オンライン / 2021年6月30日 8時30分

JR奈良線で活躍する「103系」。製造時の雰囲気を比較的よく残している(撮影:伊原薫)

JRへと分割民営化される前の国鉄の車両は、用途によって形式がある程度統一されており、全国各地で同一車種が活躍していた。その代表格と言えるのが、直流通勤型電車の103系である。

■国鉄通勤電車の“顔”

国鉄初の新性能電車・101系をベースとして1963年に試作車両が作られた103系は、山手線を皮切りに京浜東北線、常磐線、総武線、中央線などで次々とデビュー。1969年には首都圏を飛び出し、関西地区の東海道本線や大阪環状線でも活躍を始めたのに加え、名古屋地区、仙台地区、福岡地区にも投入され、まさに通勤電車の“顔”となった。製造数は3447両にも達し、これは1系列の車両数としては日本最多を記録。現在も破られていない。

103系は、1987年の分割民営化時点でほぼ全車が残存しており、JR東日本が約2400両、JR西日本が約900両、JR東海が70両、JR九州が54両を継承した。だが、この時点で既に初期車は約25年が経過していたことから、各社は新型車両を相次いで開発し、103系を置き換えてきた。

JR東海では2001年に、JR東日本では2009年すべての103系が引退。残る2社でも徐々に数を減らし、2021年6月末時点でJR西日本に48両、JR九州に15両の合計63両が残るのみとなった。

JR西日本に残る103系の中で、鉄道ファンから大きな注目を集めているのが、吹田総合車両所奈良支所に所属する8両(4両編成×2本)だ。このうち先頭車の4両は、1973年に山手線用として製造された車両で、翌年に関西へ“引っ越し”してきたという過去を持つ。

その際、いったん東海道・山陽本線用の水色に塗り替えられたが、奈良電車区へやってきた1985年に山手線と同じ黄緑色に復帰。現在は前面に白帯が入り、窓周りの印象も変わっているものの、製造時の雰囲気を比較的よく残している。

【2021年6月30日15時30分追記】車両の運用について上記のように修正しました。

■レトロな空気漂う車内

車内に入ると、そこにはさらにレトロな空気が漂っていた。ロングシートの端にある仕切りは、最近の車両で見られる大型のものではなく、金属パイプを組み合わせた簡易なもの。座席は平らで1人ごとのくぼみがなく、数人おきに区切る手すりなどもない。文字通り、網状になっている頭上の網棚や2段式の窓も懐かしい。さらに、天井には扇風機まで残っていた。今や、扇風機がある車両というのも都会では“絶滅危惧種”だ。

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