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家の前が線路、住民たちの「勝手踏切」が招く危険 江ノ電では4月に人身事故、防ぐ手だてはあるか

東洋経済オンライン / 2021年7月13日 8時0分

「勝手踏切」の危険を周知させるために設置されたバリカー(筆者撮影)

江ノ島電鉄で4月26日午前7時50分ごろ、自宅のゴミを集積場へ持っていくお手伝いをしていた小学生の女の子が、電車にはねられ意識不明の重体となる痛ましい事故が起きた。

現場は稲村ヶ崎駅―極楽寺駅間で、「勝手踏切」と呼ばれる軌道敷を渡って、集積場へ向かった帰りだった。多くのマスコミに取り上げられたので、ご記憶の方も多いだろう。

小学生の女の子が線路に立ち入って起きた事故であり、通常であれば過失は女の子にあると思われる。しかし江ノ電には、踏切なのかそうでないのか区別がつかない場所が非常に多く存在する。

■禁じられた線路立ち入りが常態化

現在、日本の鉄道では高架化や地下化などによって、踏切(正式には踏切道)が減少している。それでも都内には約1200カ所(東京都調べ)の踏切があり、日本全国では約3万3000カ所(交通安全白書)もの踏切がある。

これら踏切は法令により種類が決められており、警報機と遮断機を有する第1種、掛員が手動で遮断機を操作する第2種、遮断機はなく警報機だけが建植されている第3種、そして警報機も遮断機もない第4種というすみ分けである。このうち一部工場などの専用踏切を除き、第2種は現在の日本には存在しないと言われている。

法規のうえでは以上の4種類に分類されているが、このほかにもう1つ公式ではない踏切も存在する。それが、今回の事故の原因となった勝手踏切と称するものだ。

運輸省(現・国土交通省)の古い資料などには「作場道(さくばみち)」と記されているものだが、要は赤道(あかみち)と呼ばれる古くから道路として利用されてきたが現在は道路法上の道路ではない道路や畦道のような正式な道ではない道路と、線路が交差するところの部分を示す名称である。乱暴な言い方ながら、一般公衆による線路内立ち入り(交差)が、常態化している部分の総称である。

当然ながらこれらには警報機も遮断機もなければ、踏板さえもない。つまり警報音がしないうえに通行を遮るものもなく、足元は敷石によってガレ場のように足が取られる大変危険な場所だ。当然、人身事故も多く発生している。それが、勝手踏切の姿である。

踏切ではない鉄道の軌道敷のため、立ち入ってはいけない場所だ。だが、そこには鉄道側・歩行者側それぞれの立場の主張があり、いわゆる黙認と自己責任のうえで存在している非常にグレーな場所なのである。国土交通省によればこの勝手踏切は、全国で約1万7000カ所も存在する(2021年1月時点)が、小さなものを含めれば、もっと多いのかも知れない。

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