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ソニーの映画「劇場ヒット」頼らず稼ぐ変貌の裏側 あらゆる媒体へと映像コンテンツを届ける

東洋経済オンライン / 2021年7月17日 13時0分

『スパイダーマン』を筆頭に、『ジュマンジ』や『モンスター・ホテル』などいくつかの人気シリーズを持つソニー(画像提供:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、Spider-Man Far From Home – Now Available on Disc and Digital ©2019 CTMG. All Rights Reserved. MARVEL and all related character names © & ™ 2021 MARVEL)

これまで映画のヒット作の有無で業績が左右されてきたソニーの映画事業が、そのビジネスモデルを変えつつある。

ソニーグループで映画事業を展開するソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)は今年4月、アメリカの動画配信サービス大手2社と大型の契約を締結した。

■ソニーがネットフリックス、ディズニーと提携

4月8日には、ネットフリックスと新作映画の独占配信契約を結んだ。ソニーを代表する映画といえる『スパイダーマン』をはじめ、スパイダーマンから派生した『モービウス』『ヴェノム』の続編、ソニーのゲームが原作の『アンチャーテッド』など、ソニーが2022~2026年までに公開する予定の映画が対象だ。契約期間は来年から5年間で、劇場公開後の映画が順次ネットフリックスで配信されることになる。

同月には続いて、自社映画の配信権をウォルト・ディズニーに供与する契約を締結。今後制作される『スパイダーマン』のアメリカ国内での配信権を、ディズニーに与えることが決まった。人気の『ジュマンジ』や『モンスター・ホテル』などの旧作映画も対象で、早速ディズニー傘下の動画配信サービス「Hulu」や「Disney+」で一部の配信が開始される予定だ。

『週刊東洋経済』7月12日発売号は、「ソニー 掛け算の経営」を特集。ソニーの強みとリスクを分析し、復活したソニーの今後について分析している。営業利益の7割をエンターテインメント系の事業が占めるようになった今のソニーにおいて、躍進するゲームや音楽事業と比べて業績が安定しないのが、劇場映画や放送事業を展開する映画事業だ。

映画事業の主要マーケットであるアメリカでは、ここ数年、ケーブルテレビや衛星放送に代わり、映像のストリーミング配信が大きな潮流となってきた。映像制作においてはソニーの競合相手でもあるディズニー、ネットフリックスと提携した真意はどこにあるのか。

実はソニーも2015年にストリーミング配信に参入したが、うまくいかずに2020年1月に撤退している。プレイステーション上でインターネットにつないで映像作品が見られる「PSビュー」というサービス名で、自社の映画やテレビドラマをアメリカのみを対象地域として月額40ドルほどで提供していた。しかし、加入者が増えなかった。

今回のネットフリックスやディズニーとの提携によってソニーは、競合がひしめくストリーミング配信市場で自身が配信プラットフォーマーになるのではなく、ソニーが持つ人気コンテンツを有力な配信サービスに提供する戦略へと転換したといえる。

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