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「iDeCo始めました」で気を抜く人に忍び寄る末路 もっと総合的に、長い目で見ることが重要だ

東洋経済オンライン / 2021年7月20日 12時0分

先のiDeCoもそうだが、低金利時代の今、「節税になる」「お金が戻る」という謳い文句があふれている。寄付したお金が控除対象になる「ふるさと納税」人気も相変わらずで、特に年末にかけて利用する人が増える。

しかし、節税効果というのは、税金をたっぷり払っている人にこそ恩恵が高いもの。源泉徴収されている会社員などの場合、自分の課税所得がいくらなのか、把握していないまま「ふるさと納税」をせっせとしている人もいるのではないか。

また、確定申告不要のワンストップ特例制度を利用すると節税になるのは住民税のみのため、天引きされる額が減るだけで恩恵に気づきにくいのはiDeCoで書いたとおりだ。

節税になる制度を利用するなら、まずは自分の払っている税金と所得税率を知ることからスタートしよう(一般的な会社員なら税率5~20%というところだろう)。

■住宅ローン控除の駆け込みにも要注意

オトクな制度にこだわると、逆に家計を圧迫することにだってなりえる。例えば、住宅ローン控除だ。時限措置として、10年間の住宅ローン控除を3年延長して13年とする特例が設けられているが、これは消費税率10%へのアップに伴う景気刺激策だった。しかし、コロナ禍で2022年12月末入居までが特例の対象と延長されたため、駆け込み購入を狙う人もいるだろう。

そこに拍車をかけるのが、控除率の見直しの動きだ。この減税制度は、4000万円を上限に年末のローン残高の1%を控除してくれる(1%控除は10年間。11年目からは制度が変わる)のだが、今や多くの利用者が金利1%未満の変動金利ローンを選んでいる。つまり、負担する利息よりも控除される金額の方が多いという逆ザヤ現象にあるわけだ。それを問題視し、1%控除のあり方を見直すべきとの方針が政府から打ち出されている。

となると、頭金をせっせと貯めるより、早めになるべく多額の住宅ローンを組んだ方がトクだ、という風潮になる。

しかし、控除を受けるために多額のローンを組もうという発想は健全と言えるだろうか。特に東京23区内は住宅価格が高騰中で、不動産経済研究所によると新築分譲マンションの平均価格は7000万円近辺とすさまじい。パワーカップルがペアローンを組んで購入するとしても、お互いに数千万円のローンを抱えることになるのだ。1%控除のうまみを受けるためとはいえ、それが本当におトクな選択だろうか。 多額の住宅ローン返済が生活コスト増や貯蓄の妨げになっては元も子もない。

損得は、一面から見ているだけでは気づかないこともある。セオリー上はたしかによい制度でも、それはあくまでそれ単体としてのメリットだ。それを自分事に置き換えて、総合的にみて、先まで検証することが必要だ。「資産形成はほったらかしでOK」なんて言われるが、お金持ちほど自分のお金に常に目を配るものだ。資産をなすのは、そんなに簡単なことではない。

松崎 のり子:消費経済ジャーナリスト

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