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「大坂なおみ批判」噴出で見えた日本の多様化の嘘 開会式で見せようとした理想とはほど遠い状況

東洋経済オンライン / 2021年7月30日 11時0分

女子シングルス3回戦で敗れた大坂なおみに一部から批判の声が上がっている(写真:Doug Mills/The New York Times)

大坂なおみは7月23日の東京オリンピック開会式で、トーチを持って聖火台に点火する役に抜擢された。「日本の顔」に選ばれることは、すばらしい名誉であり、日本で多様性が増していることを示している。SNSでは驚きの声と同時に、喜びの声も多く上がっていた。

ところが、この日からわずか4日後、大坂は一部の日本人から厳しいバッシングを受けることになる。テニス女子シングルスにおいて、チェコ共和国のマルケタ・ボンドロウソバにストレート負けを喫し、3回戦で敗退したからだ。

■「聖火点灯は断れた」という前提

大坂の敗退を伝えるニュースが出た途端、ツイッターなどSNSに非常に不快なコメントがいくつか投稿された。聖火点灯ランナーになったことが負けた原因だとして批判する人もいた。点火式の準備に費やした時間とエネルギーを、オリンピックの過酷なスケジュールへの準備と休養に使うことができただろうにというのである。この理由で彼女を責めるのは、「そんな栄誉は断ることができた」ということを前提としている。

ほかの理由で大坂が聖火を点灯することを疑問視する人もいた。「いまだに彼女が聖火台点火役になった理由を理解できない」と、ある投稿者はヤフーニュースのコメント欄に書いている。「大坂は、自分は日本人だと言っているが、あまり日本語がうまくない」。そのコメントと同じように大坂を厳しく批判するいくつかのコメントには、ヤフーのユーザーから、1万以上の「いいね」が付いていた。

大坂は金銭的な利益のために日本国籍を利用していると非難する者もいた。

#大坂なおみ 日の丸の下の星条旗を見せろ。 お前は日本国民ではないし、私欲のために日本国を利用した貴様を許さない。お前こそ 差別主義だ。さっさと米国へ帰れ。ここは お前が来るところではない。

大坂が自分の精神状態について明かしたことを信じられないと言う人もいた。

聖火点火の時、ドヤ顔でノーマスクやるくらいなら、病気治せよ。うつ病という名の仮病を。

都合よく〈うつ病〉になり、都合よく治り、最終聖火ランナーの栄誉は有り難く与り、肝心の試合はあっさりと負ける……スポーツを舐めてるとしか言いようがない。

大坂は、うつ状態と戦ってきたのは2018年以来のことで、時に公の場で対立することもあるような記者会見は苦手であると説明した。アメリカではほぼどの家庭にもさまざまな精神疾患を持つ家族がいるという事実を受け入れ、精神疾患はある程度普通のことになっているのに対し、日本ではいまだに精神疾患は大きな偏見の目で見られていて、見過ごされているケースも少なくない。こうした背景から、大坂のうつ症状は「仮病」だと見る向きがあるのもあまり驚くべきことではない。

■開会式の演出はやりすぎだったのか

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