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旅行大手HISで「非旅行業に夢を託す男」の仕事観 51歳法人営業本部長が進む「旅行会社の商社化」

東洋経済オンライン / 2021年7月31日 11時0分

山野邉さんがかかわるビジネスは、従来の旅行会社のイメージの枠にとらわれない「挑戦」がある(撮影:梅谷秀司)

「起業」という言葉は、起業家のためだけにあるものではない。「業(なりわい=仕事)を起こすこと」は、組織の中でもできる。いやそれどころか、新しいビジネスを生み出さなければならない組織人にこそ必要とされるアクションだろう。

さあ立ち上がれ組織人。今、あなたの立場で、業は起こせる。それも、上手にやれば大規模に。本連載では、会社をはじめとする「大組織」で、“変わり者”だと思われても“変えること”に挑み、新たな仕事をつくり出す「組織内変人」を紹介する。

■旅行会社らしからぬビジネスを推進する男

コロナ禍で人々が外出や移動を控えるようになり、旅行業界が未曾有の苦境にあえぐ中、将来を見据えて打開のシナリオを描く男がいる。山野邉淳(やまのべ・あつし)、51歳。総合旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)で法人営業部門を統括する取締役上席執行役員だ。HIS JAPANヴァイスプレジデント兼法人営業本部長を務める。

HISの業績は厳しい状況にある。2020年10月期は2002年の上場以来、初めての最終赤字に転落。今年6月に発表された2021年度10月期上期決算は売上高676億円と前上期比で8割も減った。営業赤字は310億円(前上期は14億円の営業赤字)。保有資産の売却や投資計画の縮小、経費削減などで急場をしのいでいる。

先行きも予断を許さない業況の中、山野邉さんはこれまでHISが築いてきた世界中のネットワークを使って、日本にしかないこだわりのお店を海外へ出店するほか、海外からは日本へ人材を派遣。ビジネスマナーや日本語の研修、着任中の生活サポート、帰国後の就職支援などのビジネスを率いている。

言うまでもなくHISは旅行会社だが、山野邉さんがかかわるビジネスは、従来の旅行会社にイメージする「本業」とはかけ離れている。

これを山野邉さんは、「旅行会社を『商社化』することに挑戦している」と位置づける。現時点では旅行業がHISの売り上げのほとんどを占める中で、「旅行業以外の多種多様なものを大きく育てていきたい」と言う。

夢物語に聞こえなくもないが勝算はあるのか。そして、旅行会社にいながら「非旅行業」を屋台骨に育て上げようとする「組織内変人」山野邉淳はいかにして生まれたのか。

1993年の入社前を振り返って「大学を卒業するのが怖かった」という山野邉さんは、休学して1年間、海外で過ごした。帰国すると、日本ではバブルが崩壊していた。

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