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陸自の個人装備が心もとなさすぎて不安になる訳 生存性の低さだけでなく疲弊も招いてしまう

東洋経済オンライン / 2021年8月13日 7時40分

防衛省が開発した先進個人装備。これは実用化されなかった(筆者撮影)

つい先日のことだ。陸上自衛隊 第1師団の公式ツイッターが投稿した写真を眺めていたら、他国では1970年代に廃れた革製の拳銃のホルスターをいまだに使っていた。筆者は驚愕した。

多くの国民は、自衛隊は最新装備を有した現代的な「軍隊」だと認識しているかもしれない。そうだとしたら誤解だ。私に言わせれば陸自の普通科個人装備は「最貧国の軍隊レベル」である。とても21世紀の先進国のレベルではない。アメリカ軍、そして近年ではイギリス・フランス陸軍などとも訓練をする機会が多くなったが、装備の遅れは明らかだ。

■色落ちの激しい戦闘服

まず戦闘服。自衛隊はいまだにビニロンを使っている。この難燃性ビニロン混紡の戦闘服は色落ちが激しいことでよく知られている。2017年には公正取引委員会の調査で納入業者であるユニチカとクラレの談合が認められた。

防衛省の見解は以下の通りである。「平成28年度のユニチカ(株)及びクラレ(株)の独占禁止法違反行為を受け、平成29年度に部外委託により、戦闘服等に使用する繊維素材の代替可能性の検討を実施しました。その結果、現行素材である難燃ビニロンが、繊維技術の進展を踏まえても依然、難燃性、コスト、風合い等において総合的に優位であることを確認し、現在も当該素材を戦闘服等で使用しています」としている。

これが本当であればアメリカ軍はじめ、世界中の軍隊がビニロンを採用しているはずだ。件の報告書でもビニロン繊維を使用しているのは日本だけだと書いてある。実際に現場の隊員からは自衛隊の迷彩戦闘服は色落ちが激しいと苦情をよく聞く。筆者は職業柄世界中の戦闘服を見る機会があるが、他国の戦闘服でこれほど色落ちの激しい戦闘服はほとんどない。

実際は世の中にはビニロンより優れた繊維があるのに、ビニロン縛りにしているので競争原理が働いていないようだ。このためわが国の繊維大手で、外国の軍隊に繊維を供給している帝人などですらも参入できない。

ちなみにアメリカ軍はオランダの防弾素材大手のテンカーテ社の開発した難燃繊維、ディフェンダーMを採用しているが、帝人はディフェンダーM原料の1つであるアラミド繊維を供給している。また帝人は同様の耐火繊維、コーネックスを開発、販売している。一方、防衛省がこれらの耐火繊維を使用した戦闘服の開発を行ってきたようには思えない。

防弾ベストも設計が古い。現在の最新型の3型でも先進国レベルに達していない。2型だとポーチなどを装着するためのMOLLEシステムの規格も世界中で普及しているアメリカ軍の規格ではなく、陸自独自の規格を採用している。他国のものを採用できないようにするための「非関税障壁」なのだろう。

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