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アフガンで「イスラム国がテロ」の意味すること タリバン、IS、アルカイダの複雑な関係

東洋経済オンライン / 2021年8月28日 9時30分

アルカイダはその後、イラクやイエメンなどフランチャイズ化する形で系列組織を増やしていった。欧米のテロ対策強化に伴い、ネット空間を巧みに使いこなして、思想としての「グローバル・ジハード」は今なお脅威になっている。

アフガニスタンやパキスタンとの国境付近には、数百人規模のアルカイダ戦闘員が潜伏。タリバンはアメリカとの和平交渉で、アルカイダなどのテロ組織に外国へのテロ攻撃のためにアフガニスタン領土を使わせないことを確約したが、旅人や客人をもてなす習慣があるイスラム的な考え方により、依然としてアルカイダ指導部や戦闘員の滞在を認め、関係を保っているとの見方が強い。

アフガニスタンに潜伏するアルカイダは、主にアラブ人出身者らで構成されるが、アフガン人女性との婚姻により、血縁関係を結ぶ例も多い。その家族や親族にタリバン関係者がいる場合もあり、血縁関係でタリバンとアルカイダの戦闘員たちが結ばれているケースもある。両者の関係は1990年代から続いており、もはや切っても切れない関係にある。

■タリバンが現実主義に転じた理由は

タリバンは、アルカイダと同じくムジャヒディンによって結成された。ソ連軍撤退後にアフガニスタン各派で内戦が泥沼化していた1994年、パキスタンのマドラサ(イスラム神学校)で学んだアフガニスタン出身のムジャヒディンが、治安や風紀の回復を訴えて結成した。

内戦に嫌気した国民の支持もあり、1996年にカブールを掌握して厳格なイスラム法(シャリーア)を適用することで治安回復や犯罪防止を図り、2001年までアフガニスタンの大部分を統治した。当初は国民に歓迎されたものの、女性の就学や就労を禁止したり、石打ち刑などの厳格な刑罰を行ったりして、国民の間に恐怖を植えつけた。

タリバンは復権を目指して、政権が打倒された後に駐留したアメリカ軍など国際治安支援部隊(ISAF)や、アメリカの支援を受けたアフガニスタン政府、軍を標的にゲリラ戦を展開。2018年にはアメリカ政府と直接交渉を始め、2020年2月には、アメリカ軍が撤退するのと引き換えに、対アメリカ・テロを行わないことや、アルカイダなどテロ組織が外国へのテロのためにアフガニスタン領土を使うのを容認しないことなどを柱とした合意に達した。

政権が打倒されてから20年ぶりに復権したタリバンは、恐怖支配を連想するアフガニスタン国民を動揺させ、アメリカ軍機にしがみついてでも脱出しようとする市民たちがカブールの空港に殺到している。

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