1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

アフガンで「イスラム国がテロ」の意味すること タリバン、IS、アルカイダの複雑な関係

東洋経済オンライン / 2021年8月28日 9時30分

ISには、旧フセイン政権の関係者やイラク軍関係者も加わり、一時は実際に領土を支配して複数の油田などの資金源も確保した。アルカイダに比べて軍事部門や政府部門など組織化された動きを取ったのが特徴だ。斬首や極端なシーア派敵視など残虐行為が目立ち、アルカイダの指導者であるザワヒリ容疑者は2014年、ISILをアルカイダから破門しており、以後、アルカイダ系組織とISは対立関係にある。

今回テロを行った「ISホラサン州」のホラサンとは、イランやアフガニスタン、トルクメニスタンの一部を含む歴史的な呼称で、IS-Kは2015年1月に結成された。国連報告書によると、戦闘員の数は、1500~2200人程度。アメリカ軍の掃討作戦で追い詰められており、主要な拠点は、アフガニスタン東部のナンガルハル州やクナール州の山間部など限られた地域だが、首都カブールでもテロを起こすなど限定的なテロ遂行能力があるとされる。

ISは、タリバンとアメリカ政府の和平交渉を引き合いに、「十字軍(欧米諸国)と合意を結んだ背教者」とタリバンを侮蔑する。タリバンは2001年までの政権時代、自らを「アフガニスタン・イスラム首長国」と呼称していた。

タリバンとIS-Kは、アフガン国内で衝突を繰り返しており、現地を取材するジャーナリストは、「タリバンはイラン型のイスラム法を重視した宗教国家の樹立を目指しているとの見方が強く、勝手にアフガニスタンをカリフ制国家の一部だと主張するISを敵視しているのではないか」と解説する。

アメリカ軍を標的としたテロが起きるなど混沌とした様相を呈しているアフガニスタン。アメリカ同時テロなどアフガニスタンを拠点にテロ組織が活発化し、再び世界の平和を脅かすようになるのだろうか。

女性の人権無視など恐怖支配を続けたタリバンは、ビンラディン容疑者を匿って政権の座から滑り落ちた過去の教訓から学び、女性の権利に配慮したり、アフガニスタンがテロの聖域となることを拒否したりするなど穏健路線を打ち出している。ただ、国際承認を焦るばかりに組織として統一的な行動を取る体制が整っていないにもかかわらず、指導部が主導する形で動いているとの見方が強い。

アフガニスタンの混乱した現状は、現場の戦闘員まで指令が行き届いていない実態を反映している。そもそも、指導部の理念を現場レベルの戦闘員が理解できているのかどうかは疑問との声も上がる。

■アフガンが「失敗国家」となればテロの温床に

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング