1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

2学期「子どもの感染拡大防止」に欠かせない視点 デルタ株で重症化の例も、ワクチン接種は有効か

東洋経済オンライン / 2021年8月29日 8時0分

この試験では、2回目接種後の38度以上の発熱は20%、倦怠感は66%で認められたが、これは18~65歳を対象とする先行試験での17%、75%と同レベルだった。懸念された副反応は問題とならなかった。

一方、効果に関しては、プラセボ群では16人がコロナに感染したのに、ワクチン接種群では誰も感染しなかった。有効性は100%ということになる。この臨床試験はデルタ株流行以前のものであり、有効性の評価は注意が必要だが、安全性に関しては有望な結果だ。

ファイザーと並びワクチン開発をリードするモデルナの報告も同様だ。彼らが5月25日に発表した臨床試験には、12~18歳の約3700人が登録されたが、2回接種後のコロナ予防効果は100%で、副反応も大きな問題とはならなかった。

このような臨床試験の結果を受けて、5月10日、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、12~15歳に対するファイザー製のワクチンの緊急使用許可を認めているし、6月10日にはモデルナがFDAに緊急使用許可を申請した。

アメリカは、より低年齢層への接種も進めている。ファイザーとモデルナは治験を拡大しており、5~11歳でも進行中だ。早ければ、冬場の流行期までには緊急使用許可が下りる。

■懸念は心筋炎・心膜炎

かくのごとく、アメリカでは小児への接種を積極的に推進している。では、現時点で、何が問題となっているのだろうか。世界の専門家の関心を集めているのは心筋炎・心膜炎だ。心筋炎・心膜炎は、ウイルス感染に伴う自己免疫反応や、コロナ以外のワクチン接種後にも発症することが知られている免疫合併症だ。多くは無症状、あるいは軽症で、後遺症なく治癒するが、まれに重症化することがある。

6月10日、CDCは、30歳以下でファイザーあるいはモデルナ製のmRNAワクチンを接種した人のうち、475人が心筋炎・心膜炎と診断されたと発表した。ほとんどは後遺症なく回復していたが、15人は研究発表の時点で入院し、3人は集中治療室に入っていた。

特記すべきは、大半が若年者の2回目接種後に起こっていたことだ。このことについては、イスラエルからも同様の研究結果が報告されている。

おそらく、小児ワクチン接種での最大の問題は、この心筋炎・心膜炎だろう。ただ、これについても研究が進み、接種を推奨することがコンセンサスになりそうだ。その根拠は、8月25日にイスラエルの研究者が、『ニューイングランド医学誌』に発表した研究だ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング