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日本企業がやりがちな「悪いアジャイル」の克服法 短絡的な官僚組織の否定が成功の芽を摘み取る

東洋経済オンライン / 2021年8月30日 11時0分

日本企業にアジャイルを正しく導入するには何が必要なのでしょうか(写真:よっし/PIXTA)

ソフトウェア開発の手法として有名な「アジャイル」を大企業に応用し、変革スピードを高める方法についてまとめた『AX(アジャイル・トランスフォーメーション)戦略』が翻訳出版された。日本企業の現場力を飛躍させ、競争力を高めるために、アジャイルを正しく導入するには何が必要か。本書の監訳・解説者がその秘訣をまとめた。今回は前編に続き、後編をお届けする。

■第2ステージ 大気圏の脱出:アジャイルの拡大

組織のベクトルを「外向き」にし、顧客へと向かわせるのがAX(アジャイル・トランスフォーメーション)だ。AXには、次の3つのステージがある。

第1ステージ:ロケットの離陸 (アジャイルチームの立ち上げ)
第2ステージ:大気圏の脱出 (アジャイルの拡大)
第3ステージ:成長軌道に乗せる (アジャイル企業へ)

第1ステージを解説した前編に続き、本稿では、第2ステージ以降について解説していこう。

アジャイルチームが離陸し、革新的な真の顧客価値を提供する商品・サービスなどを事業として本格化していくには、必要な人・モノ・カネが増え、関わる人や組織も増えていく。

変革においてマネジメントの頭を悩ませるのは、「事業の変革・イノベーション」と「通常業務の運営」の両輪を回し続けることの難しさだ。

日本の企業では、アジャイルや変革の取り組みの拡大期に、「通常業務の運営」サイドからの強い重力場に引っ張られて墜落・失速してしまうというケースが頻出する。

離陸までは小さなチームの取り組みとして特に問題視されてこなかったことも、スケールさせる段になると周囲から大きな注目を集め、抵抗勢力からの圧力が格段に強くなる。この圧力を突破することができなければ墜落・失速は避けられない。

よくある墜落・失速の原因は次のようなものだ。

(ア) 影響力のあるステークホルダーが難色を示し、プロジェクトの中断・見直しを余儀なくされる

(イ) 保守的になり承認者が増えて意思決定が遅くなり、前に進まなくなる

(ウ) アジャイルチームが既存事業の下に組み込まれ、既存事業の傘下で運営されるようになる

(エ) 顧客・現場感覚の薄い「ご意見番」が増え、マイクロマネジメントをしたり、革新性の尖りを削ぐ

(オ) アジャイルチームが縮小させられる、主要メンバーが外される

前編で、離陸成功ケースとして紹介した老舗サービス企業においても、拡大期に大きな障壁に直面した。

取り組みの本格拡大において、規制業種でもある「親会社」が保守的な懸念を示し、さらに子会社への越権行為をし、準備室が通常業務の組織に取り込まれ、重層的な報告を親会社に求められることになったのだ。

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