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日本人は最低賃金を抑え込む事の弊害を知らない 労働者を買い叩き続ける限りデフレは終わらない

東洋経済オンライン / 2021年8月31日 10時30分

そもそも日本の最低賃金は、日本の国際競争力の低下と連動するかのようになかなか上昇してこなかった。いまや欧州諸国の7割程度と低く抑えられており、かつては「生活保護世帯」の収入よりも、最低賃金で働く労働者の賃金のほうが低いと就職氷河期世代の悲哀とともに語られた。

■景気が悪いときは「最低賃金」を上げるのが経済の常識?

なぜ、日本の最低賃金は長期にわたって低迷を続けたのか……。正規雇用の首を切って、非正規雇用が街にあふれたあたりから、企業側の経営者団体などはさかんに最低賃金の上昇に対して異を唱えるようになった。政府側もまた、そうした経営者団体の意をくむように低く抑え続けてきた、といってもいいのかもしれない。

しかし、そんな流れを一変させたのが、新型コロナによるパンデミックだ。日本では、コロナ禍の影響を受けて、全国の最低賃金の目安を決める厚生労働省の諮問機関である「中央最低賃金審議会」が、2020年に関しては最低賃金の引き上げを行うことなく、答申を出さなかった。その結果、2020年の最低賃金は1円だけ上昇することになった。

コロナ禍であえぐ飲食店や小売業といった業種において雇用を守るには、最低賃金の引き上げなどとんでもない、という論理に労働組合側も納得したからだ。

ところが、欧米主要国は「こんなときこそ最低賃金を引き上げるべき」として、最低賃金を引き上げてきた。コロナ収束を待たずに、最低賃金の引き上げに積極的に動くドイツのような国も現れた。実際のケースを紹介しよう(厚生労働省資料より、為替レートは8月24日現在)。

・イギリス……2021年4月実施、8.72ポンド→8.91ポンド(約1338円、上昇率は2.2%)

・ドイツ……2021年1月以降4段階に分けて最低賃金を引き上げ。
2020年1月実施=9.50ユーロ(約1222円)、上昇率1.6%。
2021年7月実施=9.60ユーロ(約1235円)、上昇率1.1%。
2022年1月実施予定=9.82ユーロ(1263円)、上昇率2.3%。
2022年7月実施予定=10.45ユーロ(約1344円)、上昇率6.4%。
(2021年4月から2年間で11.8%引き上げることが決まっている)

・フランス……2020年1月=10.15ユーロ(1306円)、上昇率1.2%、
2021年1月=10.25ユーロ(約1318円)、上昇率0.99%

・ アメリカ……連邦最低賃金を2009年7月以来の7.25ドルから15ドルへ引上げ予定。約1650円の時給となる予定

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