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「塾ゼロ中学受験」母子家庭の少女が直面した現実 母子家庭で地方在住、というハンデを抱え…

東洋経済オンライン / 2021年9月1日 12時0分

国立大学までの道のりを考えたとき、私立と比べて学費もほとんどかからず、進学実績も良好な公立中高一貫校は魅力的だった。

しかし、首都圏同様、国公立の中高一貫校の倍率は高い。その公立中高一貫校の過去数年の倍率を見ると、約4倍の倍率が続く状況にあったのだ。

地元小学校からも数人が挑戦する様子だったが、いずれの家庭もすでに塾に通って対策をしているようだった。「私も塾に通いたい!」、亜矢さんにそうせがまれても、亜矢さんの家にはそれだけの財力がない。おまけに、受験対策を行う塾は遠くにしかないため、送迎面でも難しい。

もしやるなら、自分たちでなんとかするしかない。自力で受験はできるのか。無謀なことかもしれないと思いつつ、6年生の夏に行われた小学校の個人懇談で、母親の茜さんは思い切って担任にこう切り出した。

「あのう、うちの亜矢、公立受検をしたいと言い出しているのですが、塾に行かせることもできませんし……今からでは到底難しいことですよね……」

無理だという返事を覚悟して切り出した茜さんの予想に反して、担任はあっさりとこう答えた。

「亜矢さんなら余裕で合格できますよ!」

日頃から亜矢さんの基礎学力の高さをよく知る担任だからこその、力強い言葉だった。

この日から、担任と伯母・明里さんによる“特別指導”がはじまった。

■学校・伯母の明里さんによるサポート

亜矢さんは俗に言う「地頭がよい子」で、家でコツコツとやれる“ザ・長女型”の性格だった。さらに、勉強では負けたくないという負けん気の強さもあった。

すでに小6の夏で、何年も塾で対策をしてきた子に比べるとハンデがあることはわかっていた。それでも、できる限りはしてやりたいと、これまでも続けてきた進研ゼミに、公立中高一貫校受検のためのオプション講座をつけることにした。

「親としては、落ちたときのことも考えました。友達には受験をすることを言わないようにと釘を刺して、ひっそりと備えることにしました」

一方、学校でも亜矢さんに対するサポートを始めてくれた。1学年1クラスという小さな村の学校だったからこそかもしれないが、担任は自主学習の一環として、受験対策となるプリントを次々と出してくれるようになった。

亜矢さんが提出すれば、もちろん添削もしてくれる。家庭で取り組める教材も調べ、教えてくれるようになった。面接の練習では、校長先生までが指導にあたってくれたという。

自宅では、伯母の明里さんが学習の進捗具合を管理して支えた。公立受検の場合、小学校の教育課程で学習する範囲内からしか出題されないことになっている。とはいえ、頭をかなり柔軟に働かせなければ解けない問題が多い。思考力を高めるため、つるかめ算や植木算など、私立入試に出るような問題にも取り組むようにしていた。

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