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ECBの量的緩和縮小が急浮上、ユーロ相場への影響 QEを9月から縮小、来年3月末までに撤退終了も

東洋経済オンライン / 2021年9月2日 7時20分

ECBでも量的緩和の縮小が急浮上しています(写真:Bloomberg)

目下、市場の注目はFRB(連邦準備制度理事会)の一挙手一投足に注がれているが、9月9日の政策理事会を前にECB(欧州中央銀行)の量的緩和の主軸であるパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の縮小を予感させる情報発信が相次いでいる。

8月30日、ビルロワドガロー仏中央銀行総裁はPEPPの購入ペースに関し「資金調達環境の改善を考慮すべきだ」と発言している。これに続くように8月31日、クノット・オランダ中銀総裁が9月9日の政策理事会の選択肢について「(PEPPの2022年3月終了と)矛盾しない決定がなされると見込んでいる」「つまり、購入ペースの減速を意味する」と明言している。

■9月から来年3月末までかけて手仕舞い

9月以降、PEPPのテーパリングが開始され、3月末までの7カ月間をかけて手仕舞いするという話である。ECB高官からここまではっきりPEPPの終了に言及があったのはこれが初めてである。既に政策理事会に向けた内部のすり合わせは始まっていることを踏まえれば、無風と見られた9月会合はユーロ買いの材料になる可能性もある。

デルタ変異株の感染拡大がこれ以上不測の事態を招かないと割り切るならば、ECBもPEPPの撤収を検討し始めるのが妥当であろう。ECBスタッフによる経済見通し(以下スタッフ見通し)も3月、6月と改善傾向にあり、9日に発表される改定分も上方修正の公算が大きい。だとすれば、3月以降使われるようになったPEPPの購入ペース加速を意味する「a significantly higher pace」という文言は撤回が自然であろう。

図に見るように、実態として夏季休暇も挟みつつ、購入ペースは足元で減速しており、9月9日の政策理事会で現状追認ということにしてしまおうというのが本音に近いのかもしれない。

景気に関するスタッフ見通しが改善していることはもとより、そもそもPEPPの購入ペースが「a significantly higher pace」と設定された今年3月時点はアメリカ10年金利を筆頭に世界的な金利上昇圧力があった。これを抑制するためにPEPPを使ったのであり、あくまで「量」は手段、達成すべきは「安定した資金調達環境(financial conditions)」という建て付けであった。

既に域内金利情勢は3月以前の水準に戻っている(下図)。既にPEPPの購入ペースが減速している中でも金利環境が安定しているのだから、無理に「量」を追求する理由はない。ビルロワドガロー仏中銀総裁の「こうした資金調達環境の改善を考慮すべきだ」との発言は正論だ。

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