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東京五輪に感動した人は、政府を信頼するのか? 3000人の対象の追跡調査からわかった真実

東洋経済オンライン / 2021年9月5日 9時0分

東京オリンピックの開催は内閣支持率回復の一助になるのだろうか……(写真:K@zuTa/PIXTA)

オリンピックが終わり、パラリンピックも終わろうとしている。オリンピック開催前、オリンピックが始まれば、内閣支持率は上向くという楽観的予想があったが、オリンピックと内閣支持率は関係しているのだろうか? あるいはまったく関係がないのだろうか? また、東京在住者と地方在住者でオリンピックへの意識に違いはあったのだろうか?
人情に注目して人間行動を分析した『義理と人情の経済学』を執筆した山村英司氏が、約3000人対象の全国調査で、東京オリンピックに関する意識を分析した。

■オリンピックで内閣支持率回復?

政府関係者は「(オリンピックが)始まれば、日本の金メダルラッシュで不安は吹き飛ぶ」と期待し、五輪とパラリンピックの成功による内閣支持率回復に自信をにじませている。<中略>有力な海外メディアは「五輪が感染爆発の引き金になる」と指摘(※1)。

オリンピック開始直前の記事である。予測が的中した。一つは政権にとって都合のいい「金メダルラッシュ」、もう一つは都合の悪い「感染爆発」である。一つ疑問が残る。

「オリンピックをやってよかった」と考える人が、本当に政府を支持するのだろうか?

二つの考え方がある。

1 オリンピックを招致し開催を主導したのは政府である。したがって、オリンピックの感動をもたらしたのは政府の功績である。当然、オリンピック後に国民は政府を支持するようになる。

2 人々のオリンピックの感動は、選手たちが織り成すドラマによってもたらされる。オリンピックの感動は、競技のプレーヤーではない政治家の思惑とはまったく関係ない。

このような考え方の対立は、水掛け論に終始することが多い。この論争に終止符を打つには、具体的なデータによる統計分析が必要である。

さらに、オリンピックの感動は新型コロナの感染爆発を上回るほど人々を幸せにしたのか? 筆者は大阪大学の大竹文雄教授、京都文教大学の筒井義郎教授を中心とする研究グループが収集した個人レベルのデータを用いて、これらの問いを検証した。

オリンピックを分析した行動経済学分析で、英国のポール・ドラン教授らの2012ロンドン・オリンピックの研究がある(※2)。オリンピックの開催中は、ロンドン、パリやベルリンの人々の幸福度が高まった。

しかし、オリンピック終了後にその幸福度は持続しない。とりわけロンドンでは、人々がオリンピックのために支出してよいと考える費用を上回るほどの幸福度は得られない。喜ぶのは費用負担のないパリやベルリンの人々であったと結論づけている。

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