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フィンランド「医療においても日本の先行く」理由 1960年から個人ID導入する国のスゴい医療事情

東洋経済オンライン / 2021年9月13日 17時0分

幸福度ランキング1位・フィンランドの医療事情とは?(写真:Smitt/iStock)

国連の世界幸福度ランキング1位のフィンランドと56位の日本。実は医療においても、差を離されています。フィンランドの医療事情、日本の医療が抱える問題点を国立がん研究センター検診研究部部長の中山富雄氏による新書『知らないと怖いがん検診の真実』より一部抜粋・再構成してお届けします。

日本のがん検診の受診率は、OECD加盟国のなかで控えめに言って非常に低いレベルにあります。はっきり言うと「最低レベル」です。

日本の状況と対照的なのが北欧のフィンランド。乳がん検診の受診率は82.6パーセント。特筆すべきは精密検査の受診率で、ほぼ100パーセント! 検診を推奨している私から見ると、すばらしい数値です。

フィンランドでは1963年に子宮頸がん、1987年に乳がん検診を導入。その後、子宮頸がん・乳がんの死亡率が減少したことから、検診の成果が確実に上がっていることがわかります。

そんなフィンランドですが、大腸がん検診を始めるのは2020年から。日本は1992年には老人保健事業として大腸がん検診が始まっていますから、開始時期については大きくリードしています。

■フィンランドが「がん検診先進国」になれた理由

しかし、これにも「なるほど」とうなるフィンランドの理由がありました。フィンランド政府も、さまざまな論文や検証データから大腸がん検診の有効性を20年前には把握していたのですが、いかんせん大腸内視鏡のスペシャリストが絶対的に足りません。

国中で同レベルの検診を確実に提供できる状態にするため、大腸内視鏡のスペシャリストの育成にまず20年かけ、満を持してのスタートだというのです。

北欧といえば高福祉・高負担で知られています。フィンランドの場合、日本の消費税に当たる付加価値税の基本税率は24パーセント。これだけの高負担だと居住地によって検診の不利益が少しでもあってはいけないのでしょう。

日本は検診の導入に関してフットワークが軽いと言えばそうなのですが、後先考えずに「ホイッ」と始めてしまったのかもしれません。

「便潜血が陽性で再検査になったが大腸内視鏡は3カ月待ち」という状況がザラにあるのです。3カ月もの間「がんかもしれない」と不安で過ごすか、「面倒くさい!」と再検査をやめてしまうか。いずれにしても望ましい状況とは言えません。

新型コロナウイルスは日本の弱点をいろいろあぶり出してくれました。例えば、陽性者の集計。医師が手書きした陽性者発生届をファックスで保健所に送り、保健所はファックスの情報を手作業で入力していたと聞いてひっくり返った方は多いでしょう。

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