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歌舞伎由来の「幕の内弁当」中身が一口サイズの訳 「花道」「だんまり」「黒衣」も歌舞伎生まれ

東洋経済オンライン / 2021年9月21日 17時0分

幕の内弁当は歌舞伎に由来しています(写真:オクケン/PIXTA)

400年の歴史を持つ日本の伝統芸である歌舞伎。私たちの暮らしの中に歌舞伎由来のものがたくさんあります。新著『教養として学んでおきたい歌舞伎』を上梓した伝統芸能解説者の葛西聖司氏が、その詳細について解説します。

前回:実はシビアな競争社会「歌舞伎の襲名」意外な実態

■助六寿司はなぜのり巻きといなり寿司?

コンビニなどで人気の「助六寿司」。もちろん人気歌舞伎『助六』から生まれた。細巻きでも太巻きでも、のり巻きといなり寿司のセットが必須。のり巻きは助六の鉢巻。伊達鉢巻といわれファッションアイテム。色は「江戸紫」でのりを連想。恋人は吉原の花魁、揚巻(あげまき)。油「揚」で「巻」いた寿司、いなり寿司である。見事なネーミングだ。

さらに、食べ物では「幕の内弁当」。芝居と芝居の間の休憩時間を「幕間(まくあい)」というが、そこで食べるために一折に飯とおかずを、食べやすい一口サイズで詰め合わせた。いまでは芝居に関係ない彩り弁当として人気になった。

「歌舞伎揚」という煎餅。丸くてひびが入った揚げ煎餅。役者の家紋が米粉の生地に入れてから揚げるので、もともとの紋様の判別は難しいが、「歌舞伎」の由来で登録商標だ。

似ている「ぼんち揚げ」は山崎豊子の小説『ぼんち』(商家のぼんぼんキャラ)からだが、映画で演じたのが扇雀時代の坂田藤十郎や歌舞伎の世界から映画入りした市川雷蔵なので偶然、縁がある。扇雀といえば「扇雀飴」。二代目襲名の折、命名した商品から会社名になって、現在もさまざまなキャンディーを製造している。私はこのCMソングを歌える。

ほかに、お茶漬けのりが歌舞伎カラーといえばイメージがわくだろう。三色の幕、定式幕(じょうしきまく)が由来だが、実際のパッケージは違う。「四色」使われている。それも実際の幕にはない赤と黄色。モデルの色の黒と緑が入っていて、使われていないのはお茶漬けなのに「茶色」、それは地味。色で印象的な黄色と赤、どちらも目に飛び込んでくるインパクト。発売から70年変わっていないとか。

三色は「黒」「柿」「萌黄(もえぎ)」と歌舞伎では言う。柿は実の色ではなく柿渋色とか。萌黄も緑というよりふさわしい和名である。ちなみにこの色は江戸の芝居小屋、江戸三座に限る。森田座と市村座の幕の色。中村座は「黒」「柿」までは一緒だが「白」の三色。「平成中村座」で使用される。上方の芝居小屋は三色ではなく自由にさまざまだったとか。

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