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米国株は22日のFOMC次第で急落の可能性がある もはや重要なのは「テーパリング開始」ではない

東洋経済オンライン / 2021年9月22日 21時0分

自らの留任もかかるパウエルFRB議長。今回のFOMCは今後の市場動向に大きな影響を与えそうだ(写真:ロイター/アフロ/代表撮影)

まずは9月の初めに出た重要指標のおさらいから始めよう。3日に発表された8月のアメリカ雇用統計は、非農業部門の雇用数が前月から23.5万人の増加と、予想を大きく下回った。

だが、重要とされる時間当たり賃金は前月比で0.6%、前年比で4.3%の上昇という強い伸びを見せた。景気回復のペースにブレーキがかかるいっぽうで、インフレに対する懸念は高まるという、考えられる中でも最も弱気の内容になったと考えてよいだろう。

■感染再拡大が、かえって賃金上昇圧力を高めた?

統計の発表直後には非農業雇用数の伸び悩みを受け、FRB(連邦準備制度理事会)による同国債や住宅ローン担保証券の購入プログラムの縮小(テーパリング)の開始が思った以上に遅くなるとの見方から、同国の長期金利が低下、株価指数先物には大きく買いが集まった。

だが、そうした動きは早々に息切れ、その後金利は上昇基調を強める格好となった。インフレ圧力が強まる中では「不用意にテーパリングの開始を遅らせることはリスクが高い」との見方が、最終的に市場でも大勢を占めたということなのだろう。

8月雇用統計の詳細を見ると、小売業の雇用が前月比2万8500人の減少となったほか、飲食店などを含むレジャー・ホスピタリティー部門の雇用が横ばいとなっており、新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大の影響が見られ始めたことは間違いない。

またこうした比較的給与水準の低い職種の雇用が伸び悩んだことが、平均賃金を押し上げた可能性も高そうだ。言い換えれば、求人が好調なペースで伸びる中でも、失業者の職場復帰が思うように進まず、慢性的な人手不足に陥っていることから賃金には上昇圧力が強まっているとの見方を、裏付ける結果になったとも言える。

その後、14日に発表された8月の消費者物価指数は、前月比で0.3%、前年比で5.3%の上昇と、足元のインフレ圧力が依然として強いことを再確認する内容となった。とくに賃金と同様、一度上昇すると下がりにくいとされる家賃や帰属家賃がそれぞれ前年比で2.1%、2.6%と、前月よりも高い伸びとなったことの意味は小さくない。連邦公開市場委員会(FOMC、21~22日開催)で、テーパリングの開始が決定される可能性は、依然として高いと言える。

FRBのジェローム・パウエル議長はできる限りテーパリングの開始を遅らせたいと考えているのかもしれない。だが、ここまでインフレ圧力が高まった以上、早期のテーパリングを求めるタカ派的なFRB理事や地区連銀総裁を説得し、決定を先送りするのは難しいだろう。今回のFOMCで開始決定となれば、その時期は10月、あるいは11月からになると思われる。

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