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線路立ち入り頻発、鉄道営業法の罰則が軽すぎる 科料は1万円未満、「お小遣いレベル」でよいのか

東洋経済オンライン / 2021年9月22日 6時30分

鉄道の敷地内に勝手に立ち入る行為は危険にもかかわらず、罰則が軽すぎるのではないだろうか(編集部撮影)

定期運用から離脱した185系を撮影するために線路内に立ち入った男性2人が鉄道営業法違反でいわゆる書類送検をされたという。「撮り鉄」の所業についての批判もさることながら、鉄道営業法違反の場合の罰則が軽すぎる、改正するべきだ、という声も聞く。

よくも悪くも人と線路との距離が近かった時代は確かにあった。何年も前、地方の無人駅で列車を待っていたら、線路から地元客がホームへ上がってきて目を丸くしたことがある。小学生の頃見た鉄道の写真を掲載した本で、幼い子らが線路に耳を当てて列車の音を聞いているという写真がほほえましい風景として載っていたこともある。

■新幹線の罰則と比べると…

しかし、線路内立ち入りはやはり危険な行為である。昔からの習慣や慣行で許されていいはずはない。

在来線の線路内に理由なく立ち入った場合には、鉄道営業法第37条にいう「鉄道地内に妄(みだり)に立ち入った」という規定に該当し、1000円以上1万円未満の科料(刑法第17条)という罰則を受けることがある(鉄道地内立入罪)。科料は刑罰のうち財産刑の1つにあたるが、比較的軽微な罪に対応するものとされており、たとえば、軽犯罪法違反の場合にも科料が用意されている。つまり、刑事法上、線路立ち入りは軽い罪と扱われているということである。

一方で、新幹線の線路に立ち入った場合には、鉄道営業法ではなく「新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法」(新幹線特例法)第3条第2号に該当することになり、1年以下の懲役または5万円以下の罰金を受けることがある。在来線の線路に立ち入った場合より格段に重くなっている。

鉄道営業法上の刑罰法規が定められた目的には、もちろん列車運行の安全を妨げる行為を規制する目的もあるものの、付随的であり、主目的は鉄道利用に関する秩序違反行為を規制することにあると考えられている。

一方、新幹線特例法で刑罰法規が定められている目的は次の通りである。新幹線特例法でいう新幹線鉄道の定義は、主たる区間を列車が時速200km以上の高速で運転される鉄道とされており、線路内立ち入り等は極めて危険な行為である。

そこで、鉄道営業法の刑罰法規が目的とする鉄道利用に関する秩序違反行為を取り締まるということではなく、端的に列車運行の安全に対する妨害として評価して刑罰を定めているとされる(交通関係法令の刑罰法規の解説書である「注解特別刑法2交通編(2)」による)。

■なぜ罰則が軽いのか

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