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乗客は知らない新幹線「パンタグラフ」めぐる憂鬱 JR西、冬の朝のツラい「監視当番」をAIが代行

東洋経済オンライン / 2021年9月29日 6時30分

AIが異常と判断すれば東京指令所にアラートが届き、指令員が画像をチェックする仕組みとなっている。豊岡さんは「早朝に出勤していた分の労力をほかの仕事に回せるようになったほか、列車の交換につながる判断をしなくてはならない担当者の緊張感や心理的負担がなくなった」とメリットを強調する。監視業務の教育に時間を割く必要もなくなった。

JR西日本では2020年6月、博多総合車両所に山陽新幹線データ統括室を設置。走行中の車両から取得したデータを分析し、予知保全につなげる体制を整備した。例えば、車輪踏面が平らになることで生じる乗り心地の悪化も「お客様が不快に感じる前に検知して、車輪を削る作業ができる」(堤さん)という。また、紙帳票だった車両検査での測定値を、タブレット端末を使って電子化、蓄積することで異常の予知に活用するといった仕組みも構築している。

パンタグラフひとつをとってみても、これまではすり板の状態を監視するだけのために、誰かが冬の早朝に出勤してくれていたことになる。普段、客として乗っていると気づくことはない、新幹線の安全運行を支えるメンテ現場の苦労。そのお悩み解決には車両の進化と同様、最新技術が生かされている。

橋村 季真:東洋経済 記者

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