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新型シビック「6速MT」をホンダが“推す"理由 大衆車からスペシャリティへと変わるイメージ

東洋経済オンライン / 2021年10月3日 11時0分

新型「シビック」の上級グレード「EX」。価格は353万9800円(筆者撮影)

ホンダは2021年9月3日、通算11代目となる「シビック」を国内で発売した。スポーティな性格を持つ、5ドアハッチバック車だ。ボディサイズは、トヨタ「プリウス」やフォルクスワーゲン「ゴルフ」などと同じCセグメントに相当する。

このシビックで気になるのは、6速MT(マニュアルトランスミッション)の存在だ。

シビック「タイプR」という“尖ったモデル”ならばMTの設定は当然だが、通常モデルでMTがあり、しかも上級グレードでホンダは“MT推し”をしている。そこから見えてくるのは、大きく2分されている日本人にとってのシビック像だ。
 
まずは、新型シビックの走行体験から紹介する。ところは、山梨県と長野県にまたがる八ヶ岳連峰の麓。ホンダがメディア向けに開催した、新型シビック公道試乗会である。

■CVTと6MTの2台に試乗

試乗したのは2台で、1台目がソニックグレー・パールの「LX」で、CVT車。そして、2台目がプレミアムクリスタルレッド・メタリックの上級グレード「EX」で、6MT車だ。

試乗のスタート地点は標高1000m近くあり、そこからさらに山を登り、深い緑の中でワインディングコースを行く。山を下りてからは中央高速の小淵沢ICから長坂ICまでを走り、再び少し山を登るという、1周約45分間の行程だ。

1台目のLXに乗り込む前にクルマ全体を見て、改めて「シビックも随分と立派なクルマになったものだ」という印象を持った。1972年に登場した初代シビック時代から、シビックの進化をリアルタイムで見てきた者としての素直な感想だ。

先代の10代目でもかなり大きくドッシリした風貌だったが、11代目はさらに大きくなった。全長は先代比30mm増の4550mm、全幅は先代比と同じ1800mmだがリアトレッドが10mm広がっており、ドッシリ感がある。全高は20mm下がって1415mm、そしてホイールベースは35mm伸び、2735mmである。

運転席に座ると、まず目に飛び込んでくるのは、水平方向に広がるハニカム(ハチの巣)形状となったエアフロー部のデザインと、配風角を調整するスティック状の操作類だ。

配風角を広くすることで、顔に直接エアコンの風があたらず、肌や眼の乾燥を防ぐと同時に、車内全体に心地よい配風を行う。

また、Aピラー位置の変更により、前方視界の見切りがよくなっていたことも、気づいた点の1つだ。

LXで走り出してすぐに感じたのは、“軽快さ”だ。ホンダの資料では、運動性能の目指す方向として「質の高い軽快さ」という言葉を使っているが、たしかにそう感じる。「軽い」とか「軽々しい」とか、単なる「スッキリ感」というのではなく、軽快さの密度が濃い。

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