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「会社で働くしか稼ぐ手段がない」と思う人たちへ 知っておきたい資本家と労働者の関係

東洋経済オンライン / 2021年10月12日 21時0分

働くこととは? 労働とは? 悩めるシマオ君に佐藤さん伝えた教えとは……(写真:竹井俊晴)

「何のために仕事をしているかわからない」という人、メディアにあふれる「好きを仕事に」「やりたいことで生きる」「何者かになりたい」というキラキラ思考に疲れた人、「人間関係に疲れ、会社に行きたくない」という人、「仕事が評価に繋がらない」という人、「自分の限界が見えて先が見えない」という人……。

すべての悩める働く社会人に代わって、中小企業に勤めるミレニアル世代のシマオ君が、作家・佐藤優さんに「働くために必要な哲学の教え」を聞きました。(『仕事に悩む君へ はたらく哲学』から一部を抜粋・再構成して紹介します)。

前々回の記事:この際「あなたを嫌う人」は無視してもいい理由
前回の記事:豊かな人生を遠のける「稼いだ金は自分に」思考

■「資本家」が「労働者」から富を搾取する

佐藤優(以下、佐藤):ドイツの思想家マルクスはわかりますよね?

シマオ:マルクス……って、ソ連を造った人でしたっけ?

佐藤:違います。それはロシア革命を主導したレーニンですね。

シマオ:すみません……。

佐藤:いえ、シマオ君が混同するのもわかります。一般的にマルクスは共産主義・社会主義思想の祖として知られていますから。資本主義社会においては、資本家階級が労働者階級から富を搾取しているとして、それを是正するための階級闘争が必要であると説いた人物なんです。

シマオ:革命家、ということは何となく知っていましたが、正直少し危ないイメージでした。

佐藤:マルクスの思想に危ない側面があることは事実です。生まれたドイツ(当時はプロイセン王国)から追放され、フランスやイギリスを渡り歩きながら、執筆や運動を継続したマルクスを支えたのが盟友フリードリヒ・エンゲルスでした。そのマルクスの主著が有名な『資本論』です。

シマオ:あ、知っています!

佐藤:『資本論』の目的は、社会を変えるために、まず社会の構造となっている資本主義経済について解明することでした。

シマオ:『資本論』に関して、僕にもわかるようにもう少し説明してもらえますか? 資本主義社会に生きているのに、その仕組みをほとんど理解していないことに気づきました……。

佐藤:はい。簡単に説明しましょう。マルクスは、資本主義社会において人は、生産手段を持つ資本家(ブルジョワジー)と、その資本家の下で働く労働者(プロレタリアート)の2つに分かれると指摘しました。

シマオ:ブルジョワとプロレタリアート……。

佐藤:マルクスによれば、労働者というのは「労働力(労働をする能力)」という商品を売って稼ぐしかない人たちのことです。労働者はどれだけ頑張って働いてもお金持ちになることはできません。なぜなら、資本家は労働者をできるだけ安い賃金で働かせようとしますし、そこから上がった利益は自分たちだけのものであって、労働者に分配することはないからです。このことをマルクスは資本家による「搾取」と呼んだのです。

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