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築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの顛末 イトーピアがブリリアタワーに生まれ変わる日

東洋経済オンライン / 2021年10月13日 9時30分

「イトーピア浜離宮」(左)は建て替わり、名称を変え、2023年9月に「ブリリアタワー浜離宮」(右)が竣工する(写真:東京建物)

築40年超の都会の老朽マンションが本当に建て替わるのか――。

JR山手線「浜松町」駅の東側、旧芝離宮恩賜庭園を越えた場所に立つ「イトーピア浜離宮」(東京・港区)。1979年に竣工した総戸数328戸のマンションは目下、全420戸のタワーマンションへの建て替え工事が進む。

老朽マンションの建て替えが社会問題化して久しい。だが、国内にあるすべてのマンション約675万戸のうち、実際の建て替え事例は、準備中を含めても今年4月時点でわずか303件だ。オーナー間の合意形成に手間取ったり、立地が悪く建て替えの事業化が困難だったりすることが、建て替えが進まない理由に挙げられる。

翻って、イトーピアは好立地かつ容積率に余裕があり、オーナーの多くは建て替えに賛成。好条件が揃っており、すぐにでも建て替えへと移行できたように思える。が、建て替えが正式に決議されるまでの道のりは決して平坦ではなかった。何が壁として立ちはだかったのか。

週刊東洋経済10月16日号(10月11日発売)では「実家のしまい方」を特集。老朽化した戸建てやマンション、空き家・空き地問題について、広く取り上げている。

■契機は2011年の東日本大震災だった

「デベロッパーやコンサルタントへの丸投げではいけない。われわれの手で建て替えを実現させるという意志が大切だ」。

旧イトーピアの管理組合理事長として尽力した林俊幸さん(71)は、建て替え実現の秘訣について、オーナーの主体性が重要だと説く。

イトーピアで建て替えの議論が始まったのは、2000年代中頃。築25年を超えていたが、管理状態は良好で居住環境にも不満はなく、建て替え機運は高まらないまま時は流れた。

転機は2011年3月に発生した東日本大震災だ。建物の損傷は軽微だったが、老朽化や耐震性不足への懸念が頭をもたげた。

耐震補強、免震改修、建て替えなどの方策を議論し、建て替えが最も合理的と結論。アンケートでは約7割のオーナーが建て替えに賛成したため、2014年11月、本丸である建て替え決議の前段階にあたる推進決議を管理組合総会に諮った。

だが、賛成率が規定に届かず、否決に。反対票は多くなかったが、建て替えに関心を持たず、賛否を表明しなかったオーナーがいたためだ。「理事会とオーナーとの間でコミュニケーションが不足していた」(林さん)。建て替え説明会は総会直前に開催したきりで、無関心層への接触が不足していた。

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