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任天堂がWiiUの手痛い失敗から得た勝利の方程式 バランスなき理想追求には誰もついてこない

東洋経済オンライン / 2021年10月14日 10時0分

2013年度は販売計画900万台に対して272万台という大幅未達の結果で着地しました。プレイステーション4(1年で420万台)やXbox One(1年で300万台以上)と比較しても、Wii Uは一人負け状態でした。

翌2014年3月時点の連結業績では任天堂は営業利益ベースで464億円の赤字に陥ります。岩田社長は、この決算を受けて「Wii Uは想定したどんな状況よりも悪い」と危機感を露わにします。

その後も「マリオカート8」や「スプラトゥーン」、「スーパーマリオメーカー」といった自社開発ソフトのヒットによって一時的にハードの売れ行きが回復を見せますが、長期的な販売実績にはつながりませんでした。

2015年7月に岩田社長が胆管腫瘍のために逝去され、後を引き継いだ君島達己社長は2016年3月、Wii Uの生産を年内に終了予定と発表します。

Wii Uの累計販売台数は1300万台。Wiiが1億0163万台だったことと比較すれば、Wii Uの実績の厳しさは明らかです。任天堂史上2番目に売れなかった家庭用ゲーム機として、Wii Uはその幕を閉じました。

■なぜ失敗したのか?

Wii U失敗の要因は、サードパーティであるソフトメーカーを巻き込めなかったことにあります。

サードパーティが収益性を高めるためには、過去に開発したソフトを可能な限り多くのゲーム機で展開するのが定石です。この「マルチプラットフォーム」戦略にのっとれば、本来Wii U版を開発しても良かったはずです。

しかし、実際にはWii Uの開発の壁は高すぎました。Wii Uのハードは複雑で、サードパーティ側に多くの工数を要求するものでした。さらに、任天堂の開発ツールはオープンに無償配布されるのではなく、審査があり、かつ有償配布になっていました。ソフトメーカーにとってはWii Uはコストがかかる面倒なプラットフォームだったのです。

この状況は、任天堂の独自の思想も影響しています。究極のゲーム体験を追求するため、ユーザー優先という秩序のもとに構築されたハードとソフトの高次元の融合モデルを目指す、というものです。

しかしこのモデルは、初期段階でうまくいかなければ自社だけで戦い続けなければならないことを意味します。実際にWii Uは初期の自社開発ソフトで失敗したことで、完全に孤立した戦いを強いられてしまいました。

プレイステーション4やXbox Oneがサードパーティを巻き込みながら「オープンな生態系」を作り、ヒット作を柔軟に取り込んでいるのと比較すると、とても対照的な構図でした。

■スイッチはWii Uの教訓を生かした

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