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アメリカ株を揺るがす「4つの懸念材料」とは何か ついにスタグフレーションがやってくるのか

東洋経済オンライン / 2021年10月16日 9時30分

また、いわゆるスタグフレーションという言葉が何を指しているかは論者により異なるが、世界的に1970年代に起きたのがスタグフレーションというのが定説だろう。これは、資源価格の大幅上昇よりも、景気過熱局面で刺激的な金融財政政策が先進各国で行われたことが、本質的な原因だと筆者は考えている。コロナ後の経済回復ペースは特にアメリカでは高成長と言えるが、コロナ禍からの正常化の過程にある。1970年代のような大幅な価格上昇をもたらす経済状況には程遠いだろう。

■関心は利上げ開始時期とその後のペースに集中

以上を踏まえると、最近浮上したスタグフレーションへの漠然とした懸念は、春先から続いているインフレへの警戒感が行きすぎの領域に入りつつあることの、1つの表れだと筆者は考えている。目先は株式市場の悪材料となる可能性はあるが、アメリカ株式市場の上昇トレンドを変えるには至らないだろう。

一方、アメリカの株安をもたらした国内要因に関しては、今後懸念が和らぐと見ている。まずFRBだが、すでに11月のテーパリング正式開始は織り込まれているだろう。問題は次のステップである利上げ開始を、どのタイミングかつどの程度のペースで行うのかが、株式市場に大きく影響するとみられる。

すなわち、9月FOMC(連邦公開市場委員会)で判明したドットチャート(政策金利見通しの予想分布図)では、ジェローム・パウエル議長らが属するとみられる約半数のメンバーは2022年いっぱいまで現行金利を据え置き、そして2023年からの緩やかな利上げ開始を想定している。残り半数は2022年の利上げ開始に属するタカ派グループで、多くのメンバーはインフレ率上昇が長びくシナリオが念頭にあるだろう。

タカ派メンバーの想定通りにインフレが警戒されてFRBが早期に利上げに動く可能性が高まれば、株式市場が警戒感を強めるリスクが高まる。ただ、筆者はこうした可能性は低く、パウエル議長らの想定に近い経路でインフレ率が2022年以降鈍化するため、労働市場などを重視して利上げ開始には慎重な姿勢が続くと予想している。

もう1つの国内要因は、ジョー・バイデン政権が打ち出している追加財政支出をめぐり議会が膠着して、政府機関が閉鎖するなどのリスクである。こうした中で、10月7日に、債務上限問題については共和党の提案をきっかけに、12月上旬までの時限的な債務上限引き上げプランが上院において可決された。この結果、12月上旬までは、債務不履行に至るリスクはとりあえずなくなった。

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