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部活で起きる「男子への性的暴行」知られざる問題 男性が性被害を言い出しづらい5つの理由

東洋経済オンライン / 2021年10月18日 12時0分

部活動における男性間のセクシャルハラスメント。その問題とは?(写真:m.Taira / PIXTA)

部員に対する強制わいせつ罪で起訴されていた大阪市の私立高校野球部コーチだった被告(31)が9月13日、部員に性的暴行をしたとして、強制性交等致傷の疑いで大阪府警に再逮捕された。

同被告は8月にも同じ性的暴行の疑いで逮捕・起訴されており、被害にあった球児は50人以上いるとされる。被告は高校時代に甲子園出場経験があった。

■「気合入れのために」全裸ランニングのケースも

スポーツ環境におけるハラスメントを研究する明治大学政治経済学部の高峰修教授は「部活動顧問による性虐待の被害は女子がほとんど。被害対象が男子というケースはほぼ聞いたことがない」と驚きを隠せない。しかも約10年にわたり50人以上と、大量の被害生徒が出ていることは、非常に衝撃的だった。

日本の部活動の指導現場における男性間のセクシャルハラスメントは、一例ある。2005年に中国地方の私立高校野球部で、顧問教諭が部員を全裸でランニングさせた事実が報道された。

2002年から行われていた通称「フルラン」は、顧問が指導の際に暴力をふるったことによって明るみになった。暴行と強要の疑いで逮捕・送検され、懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決が言い渡されている。

加害教諭と被害生徒2人をヒアリングした高峰教授によると、雨中の練習後にふざけてベースランニングしていた部員に顧問が「どうせシャワーを浴びるのだから裸になってランニングしろ」と命じたのを機に、その後は「気合入れのために」全裸ランニングを数回やらせたという。

「最初は悪ふざけでやらせたことだったが、当然だが全裸で走ることに抵抗のある部員もいた。保護者が問題にして強要罪になったので、今回の性虐待と内容は違うが、同性の教え子に対し行ったセクハラ、強要という部分で既視感がある。ただし、今回の事件は明らかな性虐待。誰にも言えなかった生徒たちに与えた心の傷の深さは計り知れないし、将来にまで心理的に影響が及ばないか心配だ」(高峰教授)

高峰教授が憤るように、これだけ大量に、長期間にわたって性虐待が隠し続けられたのはなぜなのか。そこには、男子部員が被害を言い出しづらい5つの理由が横たわる。

1つめは、圧倒的な主従関係を背景にした、指導者による支配力が部員を黙らせていることだ。冒頭に伝えた大阪の私立高校での事件でも、メンバーを決めていた被告に「逆らえばレギュラーを外されるかもしれない」と部員が吐露している。甲子園を目指すような学校では、野球で生きていこうと決めプロ入りを目指す球児は多い。

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