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日本人の給料がどうにも上がらない決定的な理由 マクロ要因を除いても様々な慣習が妨げている

東洋経済オンライン / 2021年10月19日 6時30分

日本人は自らも給料を上げられない要因を作っているのかもしれない(写真:bee/PIXTA)

先日、国税庁が民間給与の実態を発表した。令和2(2020年)年の平均給与は433万円となった。内訳は四捨五入の関係で一桁目がずれるが、給料369万円+賞与65万円となっている。国税庁が発表した資料のグラフに、かつての発表数字を追加すると次のような推移となっている。

(外部配信先では図やグラフを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

どこを起点にするかによるが、中長期的な推移でも日本人の給与は上がっていない。むしろ下がっているといえる。また、他国が成長するなかで日本人の給与がもし横ばいとしても相対的に貧乏になっているといえるだろう。先日の東京オリンピックの際、外国人メディアが日本の物価が安いと驚いていたのは印象的だった。

■日本人の給与が伸びない理由

ところで、この日本人給与が伸びない理由については、さまざまな理由が論じられてきた。

・日本は円安政策だったために、日本企業は企業体質を改革せずとも利益を上げ続けられた。そのために給与も上がらなかった
・GDPの7割を占める中小零細企業は諸外国に比べてIT化が進んでいないため、日本人は生産性が低く、高い付加価値を生み出せていない。無駄な事務作業も多い
・中小零細企業は規模が小さく、淘汰や合併が進んでおらず、構造的に利益を上げられない
・中小零細企業は大企業から価格決定権を奪われており、買いたたかれるため高い給与を従業員に支払えない
・大企業も中小零細企業も、従業員に低スキルの労働を求めており、給与を上げるインセンティブがない
・金融・財政政策の失敗(あるいは不徹底)

おそらく、これらが経済学者や識者のあいだで論じられていた内容ではないだろうか。もちろん、これらを私が否定するものではないし、また学術的に否定する力量もない。ただ、ここでは現場のコンサルタントとして日本人の給与が上がらない現場の実感を述べる。

① 製造業ベースの考え方

IT分野であれば、1人の天才はほかの社員の100倍の価値があるかもしれない。一方で、製造業の組み立てラインを想像してもらえば100倍の差はつかない。個性よりも安定性が求められ、全員が一丸となって品質の高い製品を作り上げる必要がある。

日本は製造業を中心として高度成長期を経験してきた。人材は、その職場(会社)に継続して帰属しながら改善を繰り返し、全体の業務や社内人脈を駆使しながら仕事をこなすことを求められる。そのうえで、性能に安定感のある、高品質で低価格の商品を売り出すことに注力してきた。そして、取引先にも同様の安定性を求める。

■値上げを嫌がる企業

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