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バイデン氏「対中貿易政策」があまりに残念なワケ トランプ政権時代から変わったことは何か

東洋経済オンライン / 2021年10月27日 11時30分

9カ月に及ぶ検討を経て発表されたバイデン対中貿易政策に失望の声が上がっている(写真:Stephanie Keith)

アメリカ通商代表部のキャサリン・タイ代表は9カ月間におよぶ検討を経て10月上旬、待ち望まれたジョー・バイデン政権の対中貿易「新路線」発表となる演説を行った。しかし、タイ氏は曖昧な発言にとどめ、新たな政策の発表もなく、バイデン政権支持者も含め多くの通商政策専門家の落胆を招いた。

それどころか、タイ氏はドナルド・トランプ前大統領が残した政策を実行することから始めた。

■「前向きな関与」政策には戻らない

「演説の内容は基本的にトランプ政権下で始まったアメリカの対中通商政策の転換を肯定するものだった」と、元通商交渉担当官のクライド・プレストウィッツ氏は話す。「トランプ政権よりもソフトなトーンだったが、けっして過去5大統領の『前向きな関与』政策に戻るものではない。タイ氏はこれといった政策を打ち出さなかった」と、対中強硬路線支持者として知られるプレストウイッツ氏は続けた。

タイ氏は演説でまず、トランプ政権時代からの「第1段階の合意」の実行に焦点を当てた。トランプ前大統領が貿易収支の数字だけが成功の指標だという時代遅れの観念に固執して打ち出された合意だ。

バイデン大統領はこのような貿易観を批判したにもかかわらず、タイ氏はトランプ前大統領が第1段階の合意を実行するために発動した関税について引き続き継続し、アメリカ企業が一部の関税の適用除外を求めることができる手続きを再開することを明確にした。

タイ氏は、国有企業と非市場的慣行を優遇する産業政策について中国と対話する意図を表明した。いずれもトランプ政権の政策には含まれていなかったものだ。しかし、交渉に至るまでの確固たる道筋は示さなかった。また、ヨーロッパの同盟国との協調の必要性は認めたものの(しかしアジアは含まれなかった)、説明した政策はトランプ政権時代の単独主義および同じく「バイ・アメリカン」戦略に根差したままのものだった。

「目新しいものは何もなく、無益な政策を強化しているだけのように見える」と、ブルッキングス研究所の専門家ミレヤ・ソリス氏は語る。トランプ政権の対中アプローチに批判的な態度を取っておいて、主な狙いは欠陥のあるトランプ時代からの合意の実行を見届けることだ、などと表明することには、明らかな齟齬があるとソリス氏は指摘する。

「バイデン政権の政策は、少なくとも短期的には、トランプ時代からの第1段階の合意を実行することだというのが私の結論だ」と、首都ワシントンの戦略国際問題研究所で行われたタイ氏の演説を主催した元通商政策専門家のウィリアム・ラインシュ氏は話す。

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