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トランプ前大統領が準備する合法的クーデター 中間選挙まであと1年、法の抜け穴を巧みに突く

東洋経済オンライン / 2021年11月3日 6時30分

10月9日、アイオワ州で開催されたトランプ前大統領の「Save America(アメリカを救え)」大会に集まった人々(写真:Bloomberg)

11月3日で2020年アメリカ大統領選から1年となる。選挙後のトランプ前大統領からバイデン大統領への政権移行期は1月に議会議事堂乱入事件で死傷者が出るなど混迷を極めた。このときトランプ氏が事実上クーデターを企てたと専門家の一部は指摘する。アメリカ史上、初めて平和裏に行われなかった政権交代として歴史に刻まれた。

クーデターが失敗に終わり、バイデン政権が発足できたことでアメリカの民主主義は健在であることが証明されたとの見方もある。だが、アメリカの民主主義が直面する脅威はまだ消えていないようだ。いまだに、2020年大統領選の結果をめぐる党派間の意見に隔たりがあり、アメリカの民主主義崩壊のリスクはむしろ強まっているとの懸念がある。

その最大の要因はトランプ氏が2020年大統領選で不正があったと訴え続け、いまだに敗北を認めていないことだ。そして同氏が引き続き共和党内で圧倒的な影響力を保持していることだ。

■2024年大統領選にトランプ氏再出馬はほぼ確実

現代の大統領は退任した後、大統領図書館や自らの財団の設立、本の執筆などに携わり政界から姿を消すのが通常だ。トランプ氏と同じく再選を逃したジミー・カーター元大統領(民主党)はジョージア州のピーナッツ農園に戻り、ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領(共和党)も地元テキサス州に帰った。

だが、トランプ前大統領は違った。退任から約5カ月後には自らの支持者集会で現政権の批判を展開。先月には大統領選序盤州のアイオワ州に足を運ぶなど2024年の大統領選再出馬に向けて着々と準備を進めている模様だ。健康問題さえなければ、トランプ氏の再出馬は確実視されている。

大統領選本選でバイデン氏あるいは他の民主党候補に勝利できるかは不明だが、トランプ氏が現状の党内の高い支持率を維持できれば、共和党予備選での勝利は確実だ。クイニピアック大学の世論調査(2021年10月15~18日実施)によると、共和党有権者の86%がトランプ氏に好意的であり、78%が同氏の2024年大統領選出馬を望んでいる。

2020年大統領選では、トランプ氏は選挙前から敗北に備え、民主党支持者の利用が多い郵便投票などについて不正疑惑があると国民に訴えていた。そして選挙後には州議会・政府、連邦議会・政府、司法などに圧力をかけ、選挙結果を覆すことを試みた。2021年初に、アメリカは民主主義の崩壊寸前にあったことが最近の議会調査報告書や暴露本、報道などで明らかとなってきている。

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