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現在56歳以下の老後「3000万円超必要」の驚愕試算 1965年以降出生者9割が老後生活資金を賄えない

東洋経済オンライン / 2021年11月14日 10時0分

2000万円ですら全然足りないかもしれない(写真:sh240/PIXTA)

老後生活資金に2000万円必要という金融庁の報告が、2019年に関心を集めた。しかし、「どれだけの貯蓄が必要か?」という疑問は、うやむやのままにされ、忘れられている。マクロ経済スライドによる年金額の削減や、支給開始年齢が70歳に引き上げられる可能性を考えると、必要貯蓄額はこれよりかなり多くなる。

昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第56回。

■老後生活資金2000万円問題

2019年6月に「老後生活に2000万円の貯蓄が必要」という金融庁・金融審議会の報告書が発表されて、大きな関心を集めた。

ところで、報告書は極めて奇妙な経過をたどった。

まず野党が「年金だけで老後生活を送れると思っていたが、100年安心年金というのはウソだったのか?」と、政府を追及した。

ところが、この追及は見当違いである。なぜなら、政府は、「年金だけで老後生活を送れる」とは約束していないからだ。

政府が約束してきたのは、つぎのことだ。

厚生年金については、モデル世帯の所得代替率を、ほぼ50%に維持する(注)。2025年までに支給開始年齢を65歳に引き上げる。年金保険料率は、現在以上の引き上げは行わない。

「100年安心」とは、「このような内容の年金制度を100年維持できる」ということだ。

このことと、「老後に備えて一定の蓄えが必要」ということは、なんら矛盾しない。

だから政府は、野党の追及に対して、「それは見当違いだ」と言えばよかったのだ。

(注)「所得代替率」とは、年金を受け取り始める時点(65歳)での年金額が、現役モデル世帯の手取り収入額(ボーナス込み)と比較して、どのくらいの割合かを示す指標。

ところが、麻生太郎財務大臣(当時)は、「あたかも公的年金だけでは足りないかのような誤解、不安を与えた」として、報告書の受け取りを拒否するという挙に及んだのである。

これに対して、野党は「逃げ工作、隠蔽工作だ」と批判した。

それ以来、この問題は深く議論されることがなく、うやむやのままで放置されている。

先般の総選挙でも、この問題が議論されることはなかった。

したがって、「老後生活に向けてどのような準備をすべきか?」という指針は、いまだにうやむやのままになっている。

しかし、これから老後を迎える人々にとって、これは大変重要な問題だ。うやむやのままにしておくことはできない。

■政府は何を恐れたのか?

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