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いま公立でも中高一貫校が増えている本当の理由 日本の高校受験は世界的に見ても珍しい制度

東洋経済オンライン / 2021年11月24日 7時30分

日本が子どもの発達段階を無視した入試制度になっているワケは?(写真:Fast&Slow/PIXTA)

教育学では、小学生段階を初等教育、大学や専門学校を高等教育、その間を中等教育と分類する。中等教育は思春期に重なる。反抗期を中心とした多感な時期をひとまとまりとしてとらえるのが世界の共通認識だ。

スイスの著名な心理学者ジャン・ピアジェは、およそ0〜2歳を感覚運動期、2〜7歳を前操作期、7〜11歳を具体的操作期、11歳以降を形式的操作期と分類した。さらに14歳くらいからは抽象的思考の次元が高まり、本格的に哲学や科学ができるようになると分析した。哲学者・池田晶子氏のベストセラーのタイトルも『14歳からの哲学』(トランスビュー)である。

読書をしたり、映画を見たり、楽器を弾いたり、仲間とともに冒険に出たり、親や先生以外のさまざまな大人と話したり、ときに羽目を外したり痛い目に遭ったりして、試行錯誤しながら世の中への見識を広めるべき時期に、紙と鉛筆で勉強ばかりしている場合ではない。

■高校受験という制度自体が珍しい

だからこの時期の子どもを入試対策で追い回す国や地域は、世界を見回しても数少ない。

少なくとも大学進学を前提とした場合、イギリス、オランダ、ドイツ、ロシアなどではそもそも中学校と高校という区切りがない。映画の『ハリー・ポッター』をイメージしてほしい。彼は中学生でも高校生でもない。彼の学校「ホグワーツ」は、11歳から18歳までの子どもが通う7年制の寄宿学校だ。

フランスでは中等教育が前期のコレージュと後期のリセに分かれているが、リセへの進学に際して入試のようなものはない。コレージュでの取り組みに応じて振り分けられる。フィンランドでは7歳から16歳まで基礎学校で一貫教育を受けるが、やはり高校入試はない。フランス同様、基礎学校での取り組みにより振り分けられる。

日本と似ていると言えそうなのは中国くらい。ただし、日本のように個別の高校入試を受けて一喜一憂するのではなく、地域ごとに実施される高校進学のための統一試験の結果によって進学先が決まる。

拙著『なぜ中学受験するのか?』でも詳しく解説しているが、なぜ日本では、子どもの発達段階を無視した入試制度になっているのか。それを知るには歴史を紐解く必要がある。

■反抗期と高校受験の両立は至難の業

日本の旧制中学は、明治時代にイギリスの5年制中等教育学校をまねてつくられた。旧制中学は男子校だった。それに相当する女子の教育機関は高等女学校と呼ばれていた。

第2次世界大戦後、中学校までを義務教育にしようと試みたが、小学校の6年間に加えてさらに中学校の5年間を義務教育化するには資金が足りなかった。そこで、中等教育を前期の中学校、後期の高等学校に分け、中学校までを義務教育にした。つまり「6・3・3」は妥協策だったのだ。

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