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ミレニアル・Z世代が支持、「大きな政府」の米国史 東京大学・中野教授に聞くアメリカ史(前編)

東洋経済オンライン / 2021年12月28日 9時0分

若い世代を中心に社会主義化しつつあるアメリカを読み解く(写真・vectorfusionart / PIXTA)

いまや若者世代の半数以上が「社会主義」を支持しているとされるアメリカ(ギャラップ調査)。バイデン民主党政権が推進する社会保障大規模歳出法案(ビルド・バック・ベター(よりよき再建」)の成立は議会調整が難航し、越年する見通しになったが、こうした巨大財政政策による「大きな政府」を支持する主役は、何といっても若者世代だ。また、彼らは「ウォール街占拠」や「ブラック・ライブズ・マター」、気候変動問題などで急進的ともいえる左派運動も主導している。

あまり語られることのない、アメリカにおける左派の歴史はどうなっているのか。そして、現在の若者とどのようにつながっているのか。アメリカ近現代史を専門とする東京大学・中野耕太郎教授に聞く全2回のインタビュー。前編となる今回は、アメリカにおける左派の誕生から、ニューディール連合の興隆と挫折までを展開する。(後編『左傾化する若者「ジェネレーションレフト」の祖先』は12月30日公開予定)

――アメリカにおける左派やリベラルの歴史を学んでいきたいと思います。まず日本では何と言ってもフランクリン・ローズヴェルト大統領から始まった1930年代以降のニューディール政策が広く知られていますが、それ以前に「革新主義の時代」という左派の潮流があったそうですね。

1865年の南北戦争終結で再統一を果たしたアメリカは、19世紀後半に未曽有の経済発展を成し遂げます。鉄鋼王カーネギーや石油王ロックフェラーなどの億万長者が現れ、世界一の産業国家に上り詰めるのです(「金ぴか時代」)。一方で、そうした急激な工業化は、資本の集中や都市環境の悪化、移民の流入、貧富の格差といった問題を生み出し、「あるべきアメリカの自由や平等が工業化により毀損されている」という危機感が若い中産階級を中心に広がりました。

そのような中で、自らを改革者、革新主義者と認め立ち上がる人たちが続出し、左派的な社会改良の価値観を持った市民運動や政治活動も盛り上がるようになります。こうした時期は19世紀末から第1次世界大戦まで続き、アメリカの革新主義の時代と呼ばれています。

――ヨーロッパでも18〜19世紀の産業革命の後、工業化や都市での貧困拡大とともに左派運動が拡大しました。それと似ています。

アメリカの場合は、革新主義者の中にも資本主義以前の牧歌的な生活にノスタルジーを持つ人たちが多く、工業化がもたらした社会悪に対しても宗教的な道徳観からこれを糾弾する風潮がありました。そうした中から、たとえば有名な禁酒運動や売春廃絶の運動などとても道徳主義的な「改革」潮流も出てきます。

■「禁酒法」と福祉国家建設が混在した時代

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