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左傾化する若者「ジェネレーションレフト」の祖先 東京大学・中野教授に聞くアメリカ史(後編)

東洋経済オンライン / 2021年12月30日 7時0分

SDS(「民主主義のための学生同盟」)が主催した反ベトナム戦争集会(アイオワ州、1968年)(写真・Bettmann/Getty Images)

いまや若者世代の半数以上が「社会主義」を支持しているとされるアメリカ(ギャラップ調査)。バイデン民主党政権が推進する社会保障大規模歳出法案(ビルド・バック・ベター(よりよき再建」)の成立は議会調整が難航し、越年する見通しになったが、こうした巨大財政政策による「大きな政府」を支持する主役は、何といっても若者世代だ。また、彼らは「ウォール街占拠」や「ブラック・ライブズ・マター」、気候変動問題などで急進的ともいえる左派運動も主導している。

あまり語られることのない、アメリカにおける左派の歴史はどうなっているのか。そして、現在の若者とどのようにつながっているのか。アメリカ近現代史を専門とする東京大学・中野耕太郎教授に聞く全2回のインタビュー。後編の今回は、ニューレフトの台頭と挫折から新保守主義・新自由主義の隆盛に至る流れ、そして今日の若者世代の分析へと話を展開する。(前編『ミレニアル・Z世代が支持、「大きな政府」の米国史』)

――前編は、戦後の経済的繁栄を築いたニューディール連合を批判・攻撃する形でニューレフトやカウンターカルチャー、公民権運動が台頭したところで終わりました。そもそもニューレフトとはどんな運動だったのでしょうか。

同じリベラルと言いながら、ニューディールとニューレフトはいくつかの点で大きく異なる思潮だと言っていいでしょう。ニューディールは、その成り立ちからして世界大戦の総力戦、総動員体制と深い関係があり、戦後は戦後でソ連との冷戦を戦う国家という性格がありました。軍事を含めた中央集権的な体制の下で、資本主義経済をコントロールし、所得再分配などの政策を行っていくのがニューディールの本質と言えるでしょう。ジョンソン政権下に、国内では「偉大な社会」を唱え、貧困撲滅を推進する一方、同じ時期に国外ではベトナム戦争を行い、ソ連と核兵器競争をしたりするわけです。

一方、1960年代に台頭してくるニューレフトでは、SDS(「民主主義のための学生同盟」)という学生運動が有名です。彼らの綱領には、冷戦に非常に否定的なことが書かれてあります。また、労働者の権利を擁護したいが、それは草の根の一般労働者であって、決して、ニューディール連合の一翼を担い、ワシントンDCに本部を置くような全国労組ではないということです。ニューレフトから見れば、全国労組は政府と一体化した巨大な官僚機構の一部にすぎず、むしろ批判の対象だったのです。ニューレフトの運動は、ニューディールの国家総力戦的な体制に対するアンチテーゼという性格が色濃くありました。

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