車両も駅も中国流、「ラオス鉄道」開業直後の姿 「列車で東南アジアへ」欧州鉄道ファンも注目
東洋経済オンライン / 2022年1月2日 6時30分
東南アジアの内陸国・ラオスを縦断する中国ラオス鉄道が2021年12月初旬、ついに開業した。線路は隣接する中国の雲南省へも直通し、いわば中国本土と東南アジアが鉄道でつながったことになる。折しもコロナ禍の影響で、旅客列車は当面、ラオス側国内を行き来するのみだが、ラオスの歴史に新たな1ページが加わった。
旅客営業開始に先立ち、12月2日は早朝から宗教儀式が行われた。10人を超える僧侶がプラットホームに並んで座り、安全祈願のお祈りをする光景は、鉄道施設の中で行われたにもかかわらず、まるで仏教寺院の内部での儀式のようだ。僧侶は電車「瀾滄(ランサン)号」の前頭部、そして車内を水を撒きながら清めた。ラオスではこうした僧侶による宗教的儀式が頻繁に行われる。
■バス10時間の道のりが2時間に
一方、ラオス・中国政府合同の開通式は12月3日、オンラインで北京や昆明とつないで開かれた。目に見える形で成就した交通インフラの完成とあって、中国からは習近平国家主席がライブ映像を通じ、「一帯一路」のシンボル的なプロジェクトであるとして完成を祝った。
12月4日から運行している旅客列車は中国が開発した電車「CR200J」が使われている。定員は720人、最初の5日間で延べ5000人が利用したという。現在のダイヤでは、ビエンチャン発で国境手前のボーテンまでが1日1往復で、これに加えて途中の観光都市ルアンパバーンまでの列車が1日1往復ある。電車は2編成あるが、1編成で回せるダイヤになっている。
ビエンチャン―ルアンパバーン間の所要時間は最短で約1時間30分。道路だと300km余りある距離を長距離バスで10時間近くかかるが、列車なら2時間以内と圧倒的に速い。ただ、道路についても中国の支援で着々と高速道路の建設が進んでいる。
「週末だったこともあり、駅に行ったらたまたま買えたので、真新しい列車を試すことにした」。ラオスに駐在する古賀俊行さんは、旅客運行初日の12月4日、ビエンチャンからルアンパバーンまでを往復したという。
切符を買う時にパスポートのチェックは行われるものの、切符券面への氏名やパスポート番号の記載はない。一方、列車に乗る際には、発車1時間前までに来てほしい、という要請もある。コロナ対策で接種証明の提示や発熱の有無の確認、ソーシャル・ディスタンスの維持など、なかなか厳しい対応が待っているからだ。
当初は「乗車前72時間以降に行ったPCR検査の結果を持参」という条件もあったが、現状では運行がラオス国内区間のみだからか、こうした手間はなくなっている。
■現在は車内での飲食禁止
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