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専用道化が完了「気仙沼線BRT」沿線の現状は? 観光地の大島はモノレールに期待・気仙沼編

東洋経済オンライン / 2022年1月15日 6時30分

終点の新王平は島の南端に近い集落で、11時08分に到着。停留所近くに残っていた看板により、かつてはさらに先へ路線が延びて島を一周する系統だったとわかる。時間があるので歩いて進んでみたが、人家もごく少ない地域だった。

気がついたのは、主な集落が丘陵地上にある点。繰り返し津波に襲われてきた三陸の生活の知恵だろう。帰りは大島出張所前11時50分発の気仙沼市立病院行きをつかまえ、12時09分着の鹿折唐桑駅まで乗る。運賃は往路が730円、復路が520円と、民営路線バスらしい値段になった。次に乗る御崎(おさき)線は12時51分発。この日はバス同士の接続がよく、昼食タイムまで取れる順調さであった。

■唐桑半島を走る路線バス

御崎線は、気仙沼湾の東側に横たわる唐桑半島を行く路線バスで、8往復が走る。始発は気仙沼市立病院。気仙沼市内のバスは病院や市役所、商業地域にある田谷本郷をターミナルとしており、JR気仙沼駅を通らない系統も多い。気仙沼市役所のすぐ裏にも2022年春、大船渡線BRTの新駅「内湾入口(八日町)」が開業する。気仙沼駅ではなく、こちらを結節点とする方法も考えられよう。

乗り込んだバスは国道45号を走り、只越上で右折して、旧唐桑町(2006年に気仙沼市と合併)の中心部に入る。こちらも主な集落は丘陵地上で、山岳路線の様相を示す。このバスの吊り手は2本の革でVの字に支えられており、これは急カーブが多い路線用の特徴と聞いた。

半島の東側は気仙沼大島の一部とともに、三陸復興国立公園に指定されているが、御崎線自体はやはり生活路線。ところどころで整備された県道を外れて旧道に入る。唐桑半島ビジターセンターに寄り、終点の御崎へ13時31分に到着。ここは御崎神社の門前の広場にバス停があり、860円払って降りる。御崎に着いた後はどういう変化も取れず、14時00分発で来た道を戻るしかない。

1970〜80年代の時刻表を見ると気仙沼港と、今はバスも通らない唐桑半島西岸の小鯖や鯖立などの港との間に多数、運航されていた気仙沼湾内の汽船が掲載されているが、これらは全廃された。

大島線も御崎線も尾根筋の県道沿いの「幹」に当たる部分をカバーしているだけだ。海辺に散在する集落の極めて小規模な、震災後は人口流出でさらに減ってしまった交通需要には、もはや市民バスでも応じられず、自家用車に任せるしかない状況なのである。

いったん大船渡線BRTの駅もある八幡大橋まで戻り、30分近く待って、1日3往復の大沢線の最終便。15時03分発で締める。先にやってきた御崎線に年配者ばかり何人も乗ると思ったら、目の前にあるパチンコ屋帰りの客だった。やはり気仙沼市立病院からやってきた大沢線の乗客は、2人だけ。

■三陸道開通で交通量に変化

このあたり、大船渡線BRTも大沢線とともに一般道を走るが、あちらは途中、三陸自動車道を経由する。ミヤコーバスは国道45号の旧道を進み、只越上からは御崎線とは反対に北へ向かう。終点の大沢までは19分、560円。まだ空き地が多いところだった。

大沢バス停は、2019年に新設された大船渡線BRTの唐桑大沢駅と同じ場所だが、次の陸前高田方面行きは約1時間後。見覚えていたコンビニエンスストアは閉店しており、行き場を失う。ただ、馴染みの宿までは徒歩30分ほどとわかり、気候も穏やかだったので国道を歩き始めた。復興工事の進捗と三陸道の開通が大きく影響し、以前と比べて交通量は極端に減っている。コンビニエンスストアの閉店もやむをえまい。

十数分歩いたところで県境の標識が現れた。南端の岩沼市から7回に分けてたどってきた宮城県はこれで「卒業」。次回から岩手県に入る。

土屋 武之:鉄道ジャーナリスト

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