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日テレAD→YD呼称変更も実態は変わりにくい事情 意識改革の狙いは理解できるが根本解決ではない

東洋経済オンライン / 2022年1月17日 18時0分

呼び名を変えるのは第一歩としても……(写真:Fast&Slow/PIXTA、yama1221/PIXTA)

日本テレビが番組制作におけるAD(アシスタント・ディレクター)の呼称を「廃止」したという。

従来ADと呼ばれたスタッフは「ヤング・ディレクター」略して「YD」と呼ぶことになり、その「ヤング」という言葉が、ネット上などで話題になっている。

私はかつて日本テレビに在籍していたのだが、今回の「AD呼称廃止」に関しては「やや理解できる」という立場である。あくまで「やや」であるが。

■ADはテレビ番組制作キャリアのスタート

そもそもADとは、文字どおり「ディレクターを補佐する」存在である。テレビ局で番組制作のスタッフとして働き始めたら、最初に就くポジションだ。

当人が例え超一流大学を出ていようが、政界有力者の息子だろうが、制作現場に配属になれば、その日から「AD」である。

だがADの最初の頃の仕事はほとんどが「雑務」である。

会議のための資料のコピー取り、先輩のコーヒー、コーラなどの買い出しなどから始まる。

もちろん、放送に使う映像資料をライブラリーに取りに行く、出演者が見る「カンペ」を書く、インタビュー映像の「文字起こし」をする、などの字義どおりの演出補助業務もする。

さらに会議に出て、総合演出や構成作家、プロデューサーの発言を「板書」したり、編集所でディレクターがVTRを作る作業に「一緒にいる」ことで、番組の作り方を覚えていく。

仕事を覚えるにつれ、業務内容は進化していき、やがてちょっとした「ロケ」や、短いVTRの編集を任されるようになって、徐々に「ディレクター」へと成長していく。

番組制作におけるディレクターは、ある種の「職人」でもあるから、その仕事を身につけるために一定の修業期間が必要なのは言うまでもない。

これはテレビに限らず、どの職業でも当てはまるだろう。

その意味ではADという業種(?)は重要なのだ。

だがADは本来の「ディレクターの補助」以上に、「雑務」のイメージが強くなっているのも事実だろう。

「おいAD!」と呼ばれ、深夜のコンビニに買い物に走らされる。

編集室とスタジオの往復で、もう何日も家に帰れず、寝るのはテレビ局の廊下のソファー……。

さらに追い打ちをかけるのが「低賃金」ということで、ADといえば〝ブラック職業〟の代表格に思われているのも事実だろう。

私が担当していた朝の生放送番組でも、徹夜作業だったADが放送用のVTRを持ったままトイレの個室で「寝落ち」してしまい、危うくOA(オンエア)に間に合わなくなる、というようなこともあった(先輩ADやディレクター陣が大捜索をして発見され、OAには何とか間に合った)

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