マザウェイズはなぜ破産したか?創業社長の独白 1粒でも雨が降ると商売に響く会社経営に疲れた
東洋経済オンライン / 2022年6月30日 17時0分
2019年7月に破産した、有名子供服チェーン「マザウェイズ」。女の子向けのかわいらしくて手ごろな値段の商品を展開し、「女児服のユニクロ」とも呼べるビジネスモデルで成功した人気ブランドでした。創業社長は最後まで出店攻勢をかけ続け、全国に100店近くを展開しました。
破産に至る経緯を創業社長に取材した記事を、「『マザウェイズ』絶好調に見えたのに破産した理由」6月23日配信)でお伝えしました。今回は、創業社長の独白です。なぜ、拡大路線を捨てられなかったのか? 破産直後に関係者の多くが抱いた疑問に対し、経営破綻から2年の時をへて、社長自らが答えた貴重な証言です。
倒産を30年取材してきた日経トップリーダー編集部が、帝国データバンクと東京商工リサーチの協力を得てまとめた『なぜ倒産 令和・粉飾編 ― 破綻18社に学ぶ失敗の法則』から抜粋してお届けします。
「日本の消費者のため」にFC契約解除
マザウェイズの前身のマザーケア・ジャパンという会社の設立は1991年。全世界に約800店舗展開していたイギリスの大手子供服チェーン「マザーケア社」とフランチャイズ(FC)契約をして1号店を出しました。
当時の子供服店は、5坪や10坪程度の小型店が多かったのですが、雑貨卸の根来(大阪市)を母体にFCで事業をしていた当社は、50坪や70坪の大型店を展開。子供服だけでなく、雑貨も含めてさまざまな商品を扱いました。
経営は堅調で店舗数も増えていきましたが7、8年ぐらいたった頃でしょうか、このままイギリスの商品を日本に持ってきて売るスタイルでいいのかと疑問に感じるようになっていきました。そもそもイギリスと日本は、気候や生活習慣が違います。当然、着る服も違うわけで、消費者が「あれ?」と思う部分もあるんです。「かわいければいい」と言う人もいましたが、そういう服は、やはり売れ行きが悪い。海外の小売業が日本に進出して撤退するのは、そんな理由からでしょう。
その頃は12店舗ほどを展開していて、評判も良かったのですが、在庫のロスも気になり、どうしようかと考えた結果、フランチャイズ契約をやめることにしました。新たにマザウェイズ・ジャパンという会社を2000年に設立し、自前でやることに決めたのです。
当時のアパレル業界は、メーカーが企画・製造したものが、卸を通して店頭に並ぶのが当たり前でしたが、うちは海外企業とFCで直接取引していましたから、そんな国内事情はよく知りません。ですからすぐに「自分たちで作って売ればいいじゃないか」と考えました。
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