「奨学金550万円」女性が迷いなく満額借りた理由 夢を追う為とった「借りられるだけ借りる」戦略
東洋経済オンライン / 2022年7月6日 12時0分
これまでの奨学金に関する報道は、極端に悲劇的な事例が取り上げられがちだった。
たしかに返済を苦にして破産に至る人もいるが、お金という意味で言えば、「授業料の値上がり」「親側におしよせる、可処分所得の減少」「上がらない給料」など、ほかにもさまざまな要素が絡まっており、制度の是非を単体で論ずるのはなかなか難しい。また、「借りない」ことがつねに最適解とは言えず、奨学金によって人生を好転させた人も少なからず存在している。
そこで、本連載では「奨学金を借りたことで、価値観や生き方に起きた変化」という観点で、幅広い当事者に取材。さまざまなライフストーリーを通じ、高校生たちが今後の人生の参考にできるような、リアルな事例を積み重ねていく。
今回話を聞いたのは、いわゆるFランク大学から、東京大学の大学院に進学した過去を持つ山田愛美(仮名・35歳)さん。
「もともと芸能人になることが夢で、10代は事務所に所属して芸能活動をしていました。でもなかなか芽が出なくて、前々からリミットと考えていた20歳で芸能の道は諦めて」
とくに勉強が好きだったわけではなく、また芸能活動もあったため、大学を選んだ理由も「とりあえず受かりそうな大学に」というもの。
だが、最愛の祖父が難病になったことで、彼女の運命は大きく変わることになる。
最愛の祖父の病で、大学教員を志す
「脊髄小脳変性症という病気でした。通常、この病気は10年程度の時間をかけて進行していくものなのですが、祖父の場合は1カ月のうちにどんどん悪化し、トイレもひとりで行けなくなってしまったんです。
初孫だったこともあり、私はきょうだいの中でも、とくに祖父にかわいがってもらっていたので、なにもできないことが本当に悔しくて……。そこから、祖父の病気を治したいと思うようになったのですが、私がいたのは工学部。『今から医学部には入れないだろうし、かと言って看護師になるのもどうなんだろう』と思っていたんですよね。
そうしていろいろと模索している間に、『再生医工学』という医療分野があることを知ったんです」
再生医工学は、細胞を使って、重度に損傷した生体組織や臓器を再生あるいは再構築する工学・生物学・医学の学際的な研究分野のこと。ノーベル賞を受賞した京都大学iPS細胞研究所名誉所長・教授の山中伸弥氏の「再生医療」に近い分野だが、山田さんがこの分野を知ったのは、まだ山中氏がノーベル賞を受賞する前のことだった。
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