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週刊誌記者が実践「圧倒的に距離が縮まる」会話術 相手が「心を開く」話し方のセオリーを紹介

東洋経済オンライン / 2024年7月26日 16時0分

そこでまず、今回のコンテストの様子が数十万部発行の女性誌のグラビアページに掲載されることを伝えました。そのうえで、

「これだけの人に見てもらえるとファンも増えて、SNSのフォロワー数も増えるんじゃないでしょうか?」

「たとえば、そちらに所属されているEさん、最近、舞台をがんばっていらっしゃって私も注目しているんですけど、いかがでしょうか?」

という聞き方をしました。「誰でもいい」と言われるよりは、「応援している人がいるのでぜひ!」と言われたほうが、前向きな気持ちになりますよね。

結果的に、私が電話をした事務所から何人かコンテストに出ていただけたので、やはり相手がメリットを感じるであろうことに寄り添って誘導するように話を進めると、うまくいく確率が高まります。

決定権は必ず相手に渡そう

人は、自分で物事を決める自己決定権の度合いが高いほど、幸福度も高くなることがさまざまな研究でわかっています。

コミュニケーションも例外ではなく、小さなことであっても、何か決めごとが生じた場合は、相手に決定権を渡すと、メリットを感じてもらいやすくなります。

渋谷109で働いていた頃も、「この商品を絶対に売るぞ!」と自分がどんなに意気込んでいても、選ぶのも買うのも決めるのはお客さま、というスタンスは守っていました。

洋服選びに迷うお客さまはとても多いので、

「お手持ちのお洋服とは、どちらが合わせやすいですか?」

「ズボンに合わせたいですか? スカートに合わせたいですか?」

と聞いて、相手に選択権を与えます。そのうえで、

「こちらの服はどちらにも合わせやすいですよ」

と、自分が売りたい服にうまく誘導していくのです。

最後はもちろん、「どちらにされますか?」と聞いてお客さまに決めていただきます。すると「自分で選んだ服」という納得感と、買ったことを後悔しづらいという2つのメリットが得られるのです。

お客さまにモノやサービスを買ってもらう仕事をしたことがある人はわかると思いますが、優柔不断でなかなか決められない方は多いです。

あえて「泳がせてみる」ことも

そういうとき、「今買わないと損ですよ!」「残りあと1個で売りきれます!」と強引に買わせると、悪い印象を与えてお客さまが離れてしまいます。

私も、時間をかけて接客したお客さまから、

「この服すごく気に入ったけど、他のお店も見てから決めていいですか?」

と言われたことは数え切れないほどありました。でも、そんなときこそ、ガッカリした様子は1ミリも見せず、

「そうですよね! 見比べたいですよね。お気持ちわかるので、他もぜひゆっくりご覧になってください。うちの服が気になったらまたお越しくださいね!」

と笑顔で返事して、100%良い雰囲気を残してリリースしていました。

結果的に、またお店に戻ってきてくれるお客さまのほうが多かったです。なかには「やっぱり買おう」とその場で気持ちが変わるお客さまもいました。

駆け引きというほどのことでもありませんが、押されると引きたくなり、引かれると押したくなるのが、人の気持ちなのだと思います。

一見、遠回りに感じるかもしれませんが、まずは相手がメリットを感じることを優先することで、自分にとってもいい流れが生まれるはずです。

(構成/樺山美夏)

山田 千穂:週刊誌記者

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