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【宇宙の95%を支配】計測不能「2つのダーク」とは 「正体」を明かせばノーベル賞確実!詳しく解説

東洋経済オンライン / 2024年8月31日 11時0分

宇宙は138億年前の「ビッグバン」とともに始まってから、現在に至るまで、休むことなくグングン膨らみ続けています(ビッグバンについては、また後日お話ししますね)。

この記事を読み始めたときから、このページにたどり着くまでも、膨らんでいるのです。いやぁ、不思議ですよね。

じつは、この宇宙の膨張は、時代とともに次第にゆるやかになっていると予想されていました。なぜなら、宇宙に存在する物質は、重力によって引っ張り合うので、膨張にブレーキをかけるからです。

そこで、膨張の仕方がどのように遅くなっているのかを調べる研究が行われました。すると、驚くべきことが明らかになったのです。

なんと、宇宙の膨張は、減速するどころか加速していました! ブレーキを踏んでいると思いきや、アクセルを踏んでいたのです。

なぜなのか理由はわかっておらず、重力に対抗して「宇宙空間を広げようとするエネルギー」が存在すると解釈するしかありません。謎に包まれていることから「ダークエネルギー」と名前が付けられただけで、正体はまるでわかっていないのです。

ダークエネルギーの正体を解き明かした人もまた、間違いなくノーベル賞を受賞することでしょう。

ダークマターは、その重力によって星や銀河を生むきっかけとなりました。

一方、ダークエネルギーは、「引き寄せる力(重力)」とは反対の「引き離す力(斥力)」を生むので、星や銀河を破壊する恐れがあります。それだけではなく、宇宙自体を終わらせてしまうかもしれません。

宇宙の命運は、ダークエネルギーに握られています。だからこそ、その正体を解き明かす必要があるのです。

宇宙の長い歴史でいうと、少し前は「物質の時代」でした。正体不明の物質「ダークマター」とふつうの物質が宇宙を占領し、カオスな状態から星や銀河が生み出されていきました。

現代は「ダークエネルギーの時代」です。

宇宙が誕生して約100億年後(現在から約40億年前)、物質に代わって「ダークエネルギー」が主役に躍り出たのです。ダークエネルギーは、重力を凌駕しながら宇宙の膨張を加速させています。

ダークエネルギーの時代に終わりは見えず、この先ずっと続くと考えられています。

もしかしたら、ダークエネルギーに支配されたまま、宇宙自体が終わりを迎えるかもしれません……。

宇宙の創造に関わる「ダークマター」と、宇宙の破壊に関わる「ダークエネルギー」。これらの謎を解くことは、宇宙科学においてはもちろん、人類のルーツと未来を知る上でも、とても重要な課題なのです。

宇宙はわからないからこそ、おもしろい!

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