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のど自慢大会「新宿のサマソニ」異様な熱気の正体 47回目を迎えた"奇祭"で輝く会社員のプライド

東洋経済オンライン / 2024年8月31日 10時0分

ビル竣工当時から続く、歴史あるのど自慢大会。当初はビッグバンドの生演奏で歌う形だったという。入居テナントの交流や親睦が目的で、実際に出場者同士がビル内の食堂で再会し、「のど自慢仲間」として会社の継続的な付き合いに発展するなど、交流も生まれている。

出場する会社内のコミュニケーションを広げる面もある。先輩に誘われて出たら楽しかった、普段の業務で話さない人とも交流できた、といったものだ。決勝に進出すれば一躍社内のヒーローとなり、応援にも力が入る。

決勝当日は、出番が終わった出場者に応援団が駆け寄り、ステージ横で記念写真を撮り、握手し、健闘をたたえる温かな場面が何度も見られた。

全力のパフォーマンスを見て、「会社、オフィスっていいなと思った」との声も寄せられている。のど自慢には、企業で働く良さを伝えられる面もあるようだ。

大会を開催する三井不動産は各施設でテナント向けに、子供向けや健康促進、防災関連など、多くのイベントを行っている。その中で、のど自慢を開催するのは新宿三井ビルだけ。重視しているのは、真剣な姿勢で応援することだという。

同社の新宿法人営業室の川田友梨氏はこう語る。「あの舞台で歌うことを目標にしてくださる方もいるので、まじめに考えて、リスペクトを持ってやっている。今は大盛り上がりで、同時配信してほしいとの声もあるが、あくまでテナントのための大会というスタンスでやっていく。文化を壊さないようにしながら、新しいものも取り入れていきたい」。

異様な熱量が生まれる理由

審査員の菅原氏は長寿の秘訣についてこう語った。「47回続く理由が参加してみてわかった。出演者と応援団、関係者、協賛企業、皆が音楽が好きで熱量が高く、皆で続けていこうという一体感が強いからですよ」。

菅原氏が指摘するように、大会の異様な熱量は、同じビルで働く会社員たちが全力でパフォーマンスするからこそ。本気だから、出場者も、観客も一緒に熱くなれるのだ。

47回も続くイベントは、立派な祭り、伝統と言って差し支えないだろう。会社員が輝く音楽の文化として、来年も、再来年も、新宿の夏を彩ってほしいものだ。

田邉 佳介:東洋経済 記者

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